「司法面接」子供から正確な証言を引き出す技術(7)面接の構造①準備

立命館大学教授 仲 真紀子

今回から具体的な司法面接の手法を解説する。司法面接における面接は、次のように構造化されている。

まず、(1)面接の説明をし、(2)面接での約束事を示す。続いて、(3)ラポール(話しやすい関係性)を築き、(4)出来事を思い出して話す練習をする。その後、(5)本題に入り自由報告を求める。一定の情報が得られたならば、(6)ブレーク(休憩)を取る。このとき面接者と筆記役は室外に出て、得られた情報や足りない情報をチェックし、足りない情報についてはどのように尋ねればよいかを検討する。

ブレーク終了後、面接者と筆記役は面接室に戻り補足的な質問をする。必要ならば(7)確認質問をした後、(8)クロージング(面接を終結するための手続き)を行い、面接を終了する。

ここでは、被害者・目撃者を対象にした司法面接の一つである「NICHDプロトコル」に沿って、面接での具体的な言葉掛けの例を示す。この面接法は米国立小児保健・人間発達研究所(National Institutes of Child Health and Human Development)でM・E・ラムらが作成した面接法である。筆者らの研究も含めて、多くの実証研究がその有用性を示している。

面接を開始する前に、面接者はICレコーダーに日時と場所、面接者と筆記役、被面接者の氏名を告げる。子供が入ってきたら、次のように開始する。

(1)面接の趣旨: こんにちは。今日はお話に来てくれてどうもありがとう。私の名前は〇〇です。私の仕事は子供から話を聞くことです。こちらは△△先生で、会話を記録してくれます。この会話は録音しています。何があったかを私が忘れないように、後で聞けば分かるようにするためです。他の人が聞くこともありますが、××さんに迷惑が掛かることはありません。このまま録音を続けてもいいですか。(「よい」となれば録音を続ける)。

(2)面接での約束事: 通常は以下の五つの約束事を示す。①今日は本当の事だけを話すのがとても大切です。本当にあった事だけを話してください。②もしも私の質問の意味が分からなかったら、「分からない」と言ってください。③もしも私の質問の答えを知らなかったら、「知らない」と言ってください。②もしも私が間違った事を言ったら、「間違っているよ」と言ってください。⑤私はその場にいなかったので、何があったか分かりません。どんな事でもあった事を全部話してください。

約束事を実行できるかどうか、練習するのも効果的である。