「司法面接」子供から正確な証言を引き出す技術(8) 面接の構造②自由報告の練習

立命館大学教授 仲 真紀子

今回は、面接における(3)ラポール形成と(4)出来事を思い出して話す練習について述べる。

(3)ラポール形成の「ラポール」とは、「話しやすい関係性」の意である。面接者は「××さんのことをもっと知りたいので聞きますね。××さんは、何をするのが好きですか」と尋ねる。ここで「~が好き」などと出てきたならば、「~のことをもっと話して」と促し、より多くの情報を得る。例えば「本を読むのが好き」と子供が言ったとして、「本を読むのが好き。じゃ、そのことをもっと話して」と進める。その後のやりとりの流れの例を示そう。

子供: どんなことでもいいの。

面接者: いいですよ。

子供: ファンタジーみたいなのが好きで、「〇〇」とか、「△△」を選んでよく読む。

面接者: そうなの。じゃ、そういう本を選ぶときのことをもっと教えて。

子供: 1冊読んで面白かったら、同じ作者の本がないかなと思って……。

このようなオープン質問を用いて、自由報告を得る。WH質問やクローズド質問による一問一答にならないよう気を付けながら、少なくとも3分程度は話してもらう。話してもらったら、「はい、よく分かりました。どうもありがとう。このようにたくさん話してくれるとよく分かります。今のようにたくさんお話ししてください」と告げる。

次に、(4)出来事を思い出して話す練習をする。面接者は「それでは前のことを思い出してお話する練習をしましょう。今日あったことを話してください。今日、朝起きてからここに来るまでにあったことを最初から最後まで全部話してください」と促す。その後のやりとりの例は以下の通り。面接者は子供の言葉に逐一相づちを打ちながら、発言を引き出していく。

子供: えー、全部。

面接者: うん。どんなことでもいいですよ。朝起きてから、ここに来るまでにあったことを話して。

子供: うーん、朝起きて。

面接者: うん。

子供: 制服に着替えて。

面接者: うん。

子供: ご飯食べて。

面接者: うん。

子供: それから学校に行く時間になったから自転車で駅まで行った。

面接者: うん、それで?

子供: 電車に乗って、駅に着いて。……で、ここに来た。

ここでも3分程度は話してもらうようにする。話してもらったら、ラポール形成のときと同様の言葉掛けをし、自由報告を強化する。