「司法面接」子供から正確な証言を引き出す技術(9)面接の構造③本題への移行

立命館大学教授 仲 真紀子

司法面接における(5)「本題への移行」では、被害者や目撃者に対して、次のようなやりとりを通して本題に入る。

面接者:今日は何をお話しに来ましたか。/何がありましたか。

子供:友達に無視された。

面接者:うん、友達に無視された。そのことを最初から最後まで全部話してください。

子供:昨日、階段の所で××さんたちとすれ違ったとき、私は「おはよう」って言ったのに無視してきた。

面接者:うん、それからどうしたの。

子供:後ろで「変な髪型」って言ってた。

面接者:そうか、それで。

子供:私の髪の毛が変だからばかにしたんだと思って涙が出た。

面接者は「うん、うん、それから」と子供が話せる所まで遮らずに聞いていく。WH質問でなくとも「おはよう」という言葉から昨日の朝の出来事である可能性や、場所(階段の所)、人物(××さんたち)に関する情報が得られる。

大方の情報が得られたら、(6)ブレイクを取る。面接者と筆記役は室外に出て、足りない情報がないか確認する。

時間、場所、人物を詳細に特定したい場合は、「昨日/階段の所/××さんたち、と言ったけれど、昨日のいつか/どの階段の所か/他に誰がいたかもっと詳しく教えて」などと尋ねる。

司法面接の研修効果

子供が話していないことで知りたい情報があれば、面接の終盤で(7)確認質問をする。これは話していない内容に関するWH質問で、暗示になる可能性があるので注意が必要である。例えば、次のような問い方をする。

①その人は(他に)何か言いましたか(脅し、口止めなど)②他に誰かいましたか(目撃者や傍観者、他の被害者など)③このことを知っている人は他に誰かいますか(いた場合、その人からも情報収集できる)④他に嫌なことをされたことがありますか(主語を入れずに尋ね、「ある」と答えれば、誰がしたかを尋ねる)。

(8)クロージングでは、話してくれたことに感謝し、子供からの質問、希望を尋ねる。この段階でさらに情報が得られることもある。まず、「たくさんのことを話してくれました。助けてくれてどうもありがとう」と述べ、①私が他に知っておいた方がよいことはありますか②他に〇〇さんが私に話しておきたいことはありますか③〇〇さんから何か質問はありますか④また何か話したくなったらここに連絡してください――などと伝える。

その後、子供を退室させる。子供が不安を抱えたまま落ち込んで帰ることのないよう、退室前に「これから何をするの」などと会話してもよい。