公教育の私事化(7)公正な競争社会


東京都教委特任教授 獨協大学非常勤講師 岩崎 充益




公教育の危機はその私事化に端を発する。私事化は新自由主義経済などによる公共性の衰退に起因すると考える。公教育を支える公共性が混乱状態にあるため、その危機を救う道筋が容易に見つからないのが現状である。

仏の社会学者ピエール・ブルデューは「文化資本」という言葉を使って、階層構造の再生産について論じている。学歴などの文化資本を持った保護者の下に生まれた子は、その資本が受け継がれ進学や就職に有利に働くが、そうした資本のない(多くは貧困世帯にある)子は不利である。

適切な教育環境とは、生まれたとき、つまり人生の出発点から差が付かない平等な環境である。……

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