公教育の私事化(9)教育におけるエビデンス


東京都教委特任教授 獨協大学非常勤講師 岩崎 充益



 教育経済学者である中室牧子氏の『「学力」の経済学』がベストセラーになった。あるパーティーの席上で同氏と、教育におけるエビデンスについて話がはずんだ。

 中室氏は「日本の教育行政はなぜ教育データをもっと公にしないのか」といい、具体的にどのようなデータが必要なのか尋ねたところ、「個々の生徒の全国学力テスト結果と生徒保護者の所得金額、生活実態が分かれば、もっと真正(authentic)な教育の付加価値(value-added)の分析ができる」と返ってきた。

 今日の社会において、科学的根拠なしに「学校が変わった」「生徒が変わった」と教育上の変化を語るのはタブーになりつつある。……

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