クオリティ・スクールを目指す(146)時間を少なく賢く働く

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教育創造研究センター所長 髙階玲治

よりよい生産性を高める仕事術

いよいよ新年度である。移行期2年目を迎えて新指導要領の完全実施に向けた動きと、学校の働き方改革の具体的な動きが高まっているであろう。

従来は移行期のたびに教師の仕事量が増えたが、今回はブレーキがかかりそうである。ただ、新教育課程は複雑化・困難度を増しており、本当に仕事量は減るであろうか。

働き方改革は、①仕事を減らす②効率化する③人を増やす――が基本であるが、中教審答申では②③は明確ではない。働き方改革を進めながらの新教育課程完全実施に向けての学校教育の充実策は見えない。そのため各学校は仕事を効率化しながら教育の生産性を高める創意工夫が求められる。

例えば、よく言われることであるが、前年度の形式的な踏襲がある。また、何でも自分でこなそうとする自前主義がある。多忙化でコミュニケーションの機会がなく、分掌業務など個人任せになっている。そうした問題点を見いだし、改善する方策が必要である。

その場合、教員の仕事を「個業」という言い方があるが、決してそうではない。むしろ、狭く解釈すると誤ることが多くなる。教員の仕事は次の4つの形態がある。

①授業など個人で行える定型的業務(個別・定型的業務)②分掌の仕事など複数が係として進める業務(連携・調整的業務)③学校運営上の判断や指導助言を必要とする業務(判断・助言的業務)④全校的視野に立つなど企画し推進する業務(企画・推進的業務)。

特に協働意識は大切である。

教員の仕事は多様であるから、有効な働き方を考えるべきである。第1は、全校的な視野に立って自己の職務を具体的に把握することである。第2は、日常の仕事のスケジュール化である。

私は教員時代、大学ノートに月の仕事予定を記録し、To-Do管理(この言葉は当時なかった)を行っていた。ノートは家で毎日眺め修正していた。今は便利なプランニング・ノートが各種発行されているが、最も有効だったものである。

働き方改革で時間の活用は一層重要になった。ただし、教師の仕事縮小のみでなく、そのことが子供個々への効果的な指導に結び付く方策が必要である。

さらに重要なことは、ワーク・ライフ・バランスをどう保つかである。教師個人としての人生を豊かにすることが、仕事に大きく反映することは確かである。

だが、文科省の調査で「仕事に追われて生活にゆとりがない」とする教員は「とても+わりと感じる」が80%近くだった(2006)。

これからの学校の大きな課題は、「時間を少なく賢く働く」という、よりよい生産性を高める仕事術である。各教員の英知を集めることが喫緊に必要だと考える。