「学級雰囲気」発達障害児が過ごしやすい教室(5)学級雰囲気の4タイプ

筑波大学教授 柘植 雅義 監修

発達障害のある子供が過ごしやすい学級は、親和的で温かな雰囲気が醸成されている。このように、「親和的」や「温かい」という言葉で語られることが多い学級雰囲気を、客観的な数値で測定する試みに取り組んでみた。

まず、これまでの学術研究で用いられてきた「学級雰囲気」の定義を参考に、測定するための質問項目を作成した。これらを用いて、ある地域の小学4年生を対象に調査した結果、学級雰囲気は4つのタイプに分類された。

「タイプ1」(全体の27.0%)は、クラスの秩序が保たれており居心地が良い。日々の学習や学校行事にも活発に取り組み、助け合いができる。まさに理想的とされるクラスで、全ての項目で平均をはるかに上回る数値を示していた。

「タイプ2」(27.0%)のクラスの特徴は、タイプ1には及ばないものの、全ての項目で平均か、それ以上の良好な数値を示していた。

「タイプ3」(37.8%)は、クラスの居心地や仲間意識など、友人関係に関する項目の数値は平均的だった。ただ、クラスの秩序に関する項目が平均を下回った。

「タイプ4」(8.1%)は、クラスの秩序に関する項目が平均をはるかに下回る数値で、子供同士や担任教師との関係性も良好ではない。学級崩壊の可能性が考えられるクラスだった。

発達障害のある子供が過ごしやすいクラスがタイプ1や2であるのは言うまでもない。だが、学級経営もクラスメート同士の関係性も共に良好なクラスは全体の半分程度で、実際最も多かったのはタイプ3のクラスだった。タイプ3は何らかのきっかけで、タイプ2にも4にもなる可能性があり、早急な改善が必要になる。

クラスの秩序を整える際には、うまく行動できない子供に注目しがちだが、まずは、当たり前のことを真面目にこつこつと取り組む子供たちに対して、教師が声を出して褒めるなどの適切な評価をすることが重要になる。

親和的で温かな学級雰囲気をつくる鍵となるのは、うまく行動できない子供に追従しやすい子供たちへのアプローチだ。実は心がとても繊細な彼らは、自信をなくしていたり、自信のなさから周りの注目を得ようと目立つ行動を取っていたりすることが多い。学級に大きな影響を与えるキーパーソンでもあるので、教師が積極的に関わって向き合いたい。

彼らに役割を与えたり活躍できる場を設けたりする、学級経営の工夫が大切である。

(岡部帆南、柘植雅義)