「学級雰囲気」発達障害児が過ごしやすい教室(8)発達障害のあるクラスメートの理解

筑波大学教授 柘植 雅義 監修

子供の頃を振り返ってみると、どのクラスにも1人くらいは人と関わるのが不得手な子、音読や計算が苦手だった子がいたのではないだろうか。

昨今、通常学級に6~7%の割合で発達障害のある子供がいるといわれている。もちろん、思い当たったかつてのクラスメートが発達障害だったとは言えないが、近年、通常学級に在籍する発達障害児はそのような子供が多いと思われる。

発達障害があるクラスメートへの正しい理解を促すのはなかなか難しいだろう。私たちのような大人でも、発達障害のある子の気持ちや行動の理由を読み解き、多くの人が当たり前にこなせることがなぜできないかを説明するのはとても難しい。発達障害は他の障害と異なり、一見して分かりづらく周囲に理解されにくい側面もある。

例えば、教師が「〇〇さんは落ち着いているのが苦手です。なので、教室の中をうろうろすることもあるかもしれません。でも、みんな受け入れてあげましょう」と呼び掛けたとしよう。

これで納得できる子供はごくわずかだろう。「どうして、〇〇さんだけうろうろしていいの」「私もうろうろしたい」と言う子供が出てきても当然である。これでは、理解を促したというより、発達障害児の個人的な意見を一方的にクラスのルールとしたにすぎない。

発達障害児への理解を促す上でまず重要なのは、周囲に「一方的な理解の求め方をしない」という点である。発達障害児を特別扱いすることは、クラスの子供たちの根本的な障害の理解につながらない。周囲の子供たちの協力によって、発達障害児もクラスメートと共にもっと過ごしやすくなると感じたら、そのとき必要なのはお互いに歩み寄ることである。

「〇〇さんはじっとしているのが苦手なんだ。〇〇さんも授業中できるだけ頑張って席に座っているけど、どうしても我慢できないときだけ少し席を立ってもいいかな」「授業中に立ってもいいけど1時間に2回までにしてほしいな」「立つなら後ろの方で立ってほしい」など、双方の意見を聞いてベストな解決策を擦り合わせることが障害の理解への一歩となる。

このような話し合いをするには、学級雰囲気が良く、思いやりのある学級を日頃からつくっていく必要がある。

(古閑丸まどか、柘植雅義)