「学級雰囲気」発達障害児が過ごしやすい教室(9)授業コンサルテーションとは

筑波大学教授 柘植 雅義 監修

2007年の学校教育法などの一部改正以降、ほぼ全ての学校に校内委員会が設置され、特別支援教育コーディネーターも置かれるようになった。必要な子供には個別の指導計画も作成されている。14年に日本は「障害者の権利に関する条約」を批准し、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取り組みが始まった。16年には障害者差別解消法が施行され、合理的配慮の提供について示された。

このように発達障害のある子供を含め、多様なニーズのある子供たちが学びやすくなる仕組みが整いつつある。今後は、これらの仕組みをどのように機能させ、指導や支援の質を高めていくかが求められる。

子供が教室で過ごす時間のほとんどは授業である。朝の会や休み時間、給食、清掃、帰りの会などを含めても、1日の大半は授業時間が占めている。その中で多くの教師は、発達障害のある子供が過ごしやすいよう、質の高い授業を実施しようと努力している。

一方、質の高い授業を教師1人で行うことが難しい場合もある。その際、特別支援教育コーディネーターや学校外の専門家から「授業コンサルテーション」を受けることがある。

授業コンサルテーションとは、授業中の子供(クライアント)の問題状況を解決するために、授業構想や指導案の作成、教材作成、授業後の振り返りなどで、教師(コンサルティ)が特別支援教育コーディネーターや専門家(コンサルタント)から提案や助言を受け、授業改善をすることを指す。教師は一人で悩みを抱えず、他者に相談しながら発達障害のある子供に向けた質の高い授業を考えていく必要がある。

授業コンサルテーションでは、コンサルティである教師とコンサルタントの特別支援教育コーディネーターや専門家が信頼関係を築き、お互いの専門性を尊重することが重要である。授業コンサルテーションをする側は、エビデンスに基づき、教師にとって無理のない、実現可能な提案や助言を行うのが大事だと言われている。

授業コンサルテーションを受ける側は、依頼する前に対象となる子供の個別の指導計画を作成し、目標や目標の達成状況、課題を整理しておく。また、学級の状況や学級雰囲気を把握しておく必要もあるだろう。つまり授業コンサルテーションは、依頼する側と受ける側がお互いに求められる内容を考えながら、問題解決に向かうことが重要なのである。

(長山慎太郎、柘植雅義)