働き方改革を巡る視座『教育学者としての問い』(9)創造的な教員養成の実現


学校の働き方を考える教育学者の会


 ある県の公立中学校に着任した初任の教員から相談を受けた。荒れた学校でいきなり担任を持たされ、競技経験のない運動部顧問を二つも任された。早朝出勤や深夜の帰宅で家族の寝顔しか見られない日々。振り返ると毎月200時間以上の残業。1学期の終わりに心身の異常を感じ始め、2学期のある日、とうとう体が動かなくなった。「職場に迷惑をかけてはいけない」と思うが涙が止まらない。軽いうつ病を発症していた。休職したが、2学期の終わりに校長と教委から依願退職を迫られた。「教員になるのが夢だったのに、どうすればよいのか」という相談だった。

 「一歩間違えば過労死だった。生きていてくれてありがとう。相談してくれてありがとう」。私はそう言って、本人と「これまでとこれから」を話し合いながら、これほど過酷な教育現場にこれからも教え子たちを送り出すのか、と自責の念にかられた。

 教員の働き方改革の必要性が社会で認識されたのはよかった。……

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