セルフマネジメントの時代~生徒のライフデザイン力を育む(4) 本当のマネジメント力とは

プロジェクトイニシアティブ代表取締役 藤田 勝利

企業や学校など組織で仕事をする方の中には、「マネジメント」という言葉が苦手な人が多いかもしれない。日本では「管理」と訳されることが多いこの言葉には「冷たい」「評価される」「面倒で時間がかかる業務」といった負のイメージが付きまとう。

これは日本語訳の根本的な間違いによる誤解だ。そもそも「管理」の原語は「コントロール(Control)」であり「マネジメント」ではない。もちろん、マネジメントの中には「コントロール」も含まれる。チームや組織を動かすには、時にルールを設定することも必要だからだ。

だが、マネジメントの主たる意味は、その語源をたどっても「人と組織を通じた、生き生きとした創造と創発活動」に近い。海外では日本よりも、この本来の意味を正しく理解しているケースが多い。

「マネジメントとは、人にかかわるものである。その機能は人が協働して成果をあげることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである」(『新しい現実』ダイヤモンド社)とピーター・ドラッカーが著書に記したように、マネジメントの本来の意味は、人が共通の目的に向けて協力し、一人では到底できない優れた成果を生むことにある。

仲間の強みを生かし、おのおのの弱みを他者の強みで補い合い、目立たなくすることでもある。地位のある上位職者が部下を一方的に管理する、という意味ではない。

生徒・学生の皆さんにも、このマネジメントの意味を正しく理解してほしい。学校生活でも、授業のグループ活動やクラブ活動、イベントの準備委員会など、人が集って目的に向かう際に、マネジメントの意味と機能を知っておくと役立つ場面がたくさんあるからだ。

逆に、本来の目的を知らずにマネジメントを行うと、メンバーのやる気をそいだり、アイデアが生まれにくい窮屈な雰囲気をつくったりしてしまう。結果、「自分は組織で動くのが苦手だ」「気の合う人間だけで集まればよい」という負の感覚が染み付いてしまう。

人は一人では何もできない。マネジメントを学ぶことは、人生で人と生産的に関わり合う方法を学ぶことでもある。私の知る限り、学校や企業で仲間や関係者をうまく巻き込み、生き生きと仕事ができる若者は、マネジメントの大切なポイントを体感的に理解している。

失敗が許される学校には、さまざまなチーム活動など、練習の舞台がたくさんあるはずだ。ぜひ、学びながら実践してほしい。