令和時代の扉を拓く(4)女性管理職・教員を増やしたい

教育創造研究センター所長 髙階 玲治

国際教員指導環境調査(TALIS)2018は学校管理職についての調査が含まれていて注目される。特に注目したいのは日本の女性校長の割合の少なさで、調査国中最低であった。

女性教員の割合も42%と最低であるが、校長はわずか7%でしかない。OECDの平均は女性教員の割合は68%で、90%前後の国もある。校長の平均は47%で、20~80%とばらつきがある。

それにしても日本は、女性教員の割合からみても極端に少なすぎるのではないか。

最近、わが国では女性の社会参画が強く言われているが、その例としてよく挙げられるのは国会議員の女性の少なさである。日本は193国中165位である。先進国では最下位である。

なぜ、こうも女性の社会進出が遅れるのか。

旧来の社会慣習や社会基盤が岩盤をなしていて、その影響が強固に残っているとしか思えないが、以前紹介したことのあるスイスのビジネススクールのギンガ・トーゲル教授は、著書(『女性が管理職になったら読む本』日本経済新聞出版社、2016)の中で、日本に来て驚いたのは女性が「管理職になりたがらない」ことだったという。

どの国の女性も優秀な女性たちの多くは「リーダーになりたい」「より大きな責任を負いたい」と願っているのに、日本の女性のみはまるで違っていたというのである。

今後、女性教員の増加と同時に、女性管理職の増加を期待したいが、それを阻む要因があるとすれば、国として是正することが求められる。

ただ、今回のTALIS調査では、わが国の場合、「校長としての研修または学校運営の研修を受けたことがない」「指導力養成研修を受けたことがない」とするのは数%でしかなく、OECD参加国に比べてかなり充実している。

それでいて女性管理職が少ないのはなぜであろうか。教員の場合、その職務は女性に向いているとする考えがみられるが、女性管理職もまた、トーゲル教授は、男性にない女性の特質として、「優しい」「周囲への気遣い」「友好的」「手助けを惜しまない」を挙げていた。

つまり、現状では先輩男性校長を手本として、リーダーになれば男性のように振る舞わないといけない、と考えるのではなく、女性の特質を十分発揮することで、より適切なリーダー行動がとれるようになることが望ましいのである。

そして、女性が管理職になりたがらない要因に校長に至るまでの教務主任や教頭などの職務の多忙化があるとすれば、男性も同様の課題だが、わが国の学校環境を改めて見直し、働き方改革の実効性を高める方策が必要である。

女性が喜んで管理職となる学校環境こそ、教育そのものの豊かさを発揮できる要因になるのではないか。