論理的思考を鍛えるアカデミックライティング(2)ライティングは思考すること


文部科学省 教科書調査官 渡辺 哲司


 ライティング、すなわち文章を書くことの第一歩は、見たり、聞いたり、頭の中に思い浮かべたりした言葉を身体(からだ)の外に(文字で)書き出すことです。書き出す先は、小さな紙片、白板・黒板、液晶ディスプレーなど何でも構いません。

 そうして言葉を書き出すと、まず、それらの言葉を頭の中に保持するための労力が不要となり、その分生じた余力を、他の知的作業に振り向けることができます。次いで、書き出した自分の言葉を、一種の他者目線で、他者の言葉であるかのように見ることができます。

 さらに、言葉を外に書き出したまさにその瞬間から、ほぼ自動的に二つのよい効果が生じるようです。……

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