論理的思考を鍛えるアカデミックライティング(6)つづるのではなく「組み立てる」


文部科学省 教科書調査官 渡辺 哲司



「組み立てる」も、アカデミックライティングを語る上では欠かせないキーワードです。その意味を際立たせるために、今回はまず、あえてその対立概念である「つづる」から説明を始めましょう。

「つづる」作文とは、思ったことや起こったことを思った順、起こった順に書き並べていくものです。その基礎は、書き手の連想と時間の流れにあります。典型例は、学校で行事のたびに書かされる感想文です。子供が書き方の指導を受けずに作文すると自然にそうなる――という点では「子供らしい」書き方とも言えます。

そうした「つづる」作文には教育上の大事な役割が一つあり、それは、教師が生徒の心を知る手掛かりになることです。……

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