教師集団の学びとリフレクション(8)検討会の場のセッティング

東京学芸大学教職大学院准教授 渡辺 貴裕

授業検討会を、対立的な関係でも、一方がもう一方に「教える」ような関係でもなく、授業者と参観者が並び立って授業から学び合えるようなものにするためにはどうすればよいのでしょうか。今回は、検討会の場のセッティングに焦点を当てます。

小グループで島をつくる配置も増えてきましたが、まだまだ、授業者が司会や教科部会の提案者などと共に前に座り、それと向かい合って参観者らが列になったりコの字になったりして座るような配置は一般的です。このような配置自体が絶対的にまずいわけではありません。けれども、この配置ではどうしても、参観者が感想や質問を述べて授業者がそれに答えるといった、参観者と授業者(や提案者ら)とで行き来するコミュニケーションが中心になりがちです。それは、前回述べたような、対立的な関係、自説の補強および弁明モードでのやりとりを容易に招きます。そして本当に問題なのは、こうした状況が生じているにもかかわらず、場の持ち方に無自覚で、ただ従来のやり方を続けてしまっている場合があまりに多いということです。

場のセッティングに目を向けることは、コミュニケーションの形を変えるための一つの手だてになります。写真で示したのは一例で、黒板やホワイトボードを取り囲んで半円形に座り、授業者もその中に収まる配置。ホワイトボード上に可視化されていく発言を一緒に眺めながら話し合いを進めるため、授業者と参観者とが並び立って探究する関係に立ちやすくなります。授業者と参観者との往復ではなく、参加者同士でのやりとりが続きやすくなります。

とはいえ、こうしたセッティングで行っていても、授業者が一問一答式に答えてしまう場合も。見守っていた私が「まずは参観者の皆さんの話を聞いてみましょう」と介入したこともありますが、授業者は、参加者同士でやりとりすることによる話の発展をその後目の当たりにして、「(参観者から発言があると)自分が答えたくなるんですけれど、自分が言っちゃうと、『そうだったんですよ。マル』で終わってしまうんですよね」と語っておられました。

次回は、検討会での発言の仕方を取り上げます。