【校長としての心構え(28)】授業を改善する大切さ⑤

元東京都立西高等学校長 石井 杉生
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校内研修会

校内研修会は、多くの学校で試みている授業改善の最も基本的な手法だろう。しかし、私の経験から判断するに、あまり有効な方法とは思えない。

授業参観期間を設けたり、観察する授業者を校長が指名したり、あえて課題点を指摘する役割分担をしたりと工夫してみたが、やはり、授業後の研究協議が盛り上がらないのである。過去に見た小学校の校内研修会では、参観した授業の課題点を教員らがはっきり指摘していた。

それに対して、高校ではどこか遠慮がちで、なかなかズバリと指摘しない。また、授業の方法よりも内容に興味関心が向いているようだった。

自分の授業を録画する

私が一番お勧めしたいのは、それぞれ自分の授業を録画して後で見返し、改善につなげる方法である。自信がなく、他人からの指摘を受けたくない人は、まず自分だけで見て、できる改善を重ね、その後同じ教科の教員からアドバイスをもらうという段階的な導入であれば、比較的抵抗感が少ないと思う。

録画してみると、これまで気付かなかった意外な点が発見できる。口癖を繰り返していたり、発問後の時間が短く、生徒が十分に考えられるだけの時間を与えていなかったりと、欠点に気付くことが多い。そして、改善した授業と以前の授業の録画を見比べてみると、進化の様子がひと目で分かり、自信にもつながっていく。

この授業録画は実は、大学の授業で実際に行っている方法である。多くの学生が自分の授業姿を見ることによって、大きな改善につなげている。非常にお勧めの方法である。

一日生徒と一緒にいる研修

学校にいるとき、一度はやってみたいと思いながら、ついにできなかった研修がある。それは、一日生徒と一緒に6時間の授業を受けるというものだ。朝から放課後まで通常の授業を受け、生徒と同様に指名され、その質問に答える。この研修をやってみたいと提案してみたところ、ほぼ全員から反対されてしまい、かなわなかった。

分からない授業を一日ただ黙って受ける、という研修が相当つらいものであろうことは、想像に難くない。その経験を積むだけで、必ずや授業改善につながるはずだと考えたが、どうにも賛同が得られなかった。いまだに私は、一度やってみたいと思っている。

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