【クオリティ・スクールを目指す(179)】GIGAで教室が狭くなる

教育創造研究センター所長 髙階 玲治
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教師の遠隔研修を早急に

子供が帰った教室を、学級担任が一人で黙々と掃除をし、そのあと一人一人の机や椅子などを消毒用の雑巾で丁寧に拭いていた。疲れがたまっている様子だった。だが、その後も、明日の6時限ある授業の教材研究や与えられた事務的な仕事をこなす必要があった。

コロナ禍は教師に一層のストレスフルな状態をもたらしている。いつまで続くであろうか。

そこで改めて35人の整った教室の机の並びを見渡してみる。

今後、重要になるのはポストコロナ時代の新しい教育の在り方としての「対面指導と遠隔・オンライン教育のハイブリッド化」である。教師にとって新たな課題である。

やがて教室の机の上に教科書やノートの他に端末機器が置かれるであろう。しかし、それはかなり窮屈である。あと半分の広さがほしい。だが、そうすると教室全体が机で埋まり、通路や空間がなくなり、机を寄せ合うグループ学習も難しくなる。

そこで机の片側を折りたたみにして、さらに端末を収納する仕組みを作る。何らかの工夫が求められる。学習環境を学びやすいようにすることがGIGAスクール構想の実現には必要である。

また、教育のハイブリッド化が進めば、子供個々の学習力に応じて同じ単元を学習していても、学ぶ内容が異なることが出てくる。教師は、それぞれの子供に対応した支援を行う必要が生まれる。今まで以上に、単元全体を指導する役割と個別対応する役割の両方が必要とされるようになる。

机の問題を含めた学習環境の整備が必要であるとともに、子供個々への学習状況に応じた支援的な役割が必要になって、35人学級は指導が難しくなるのである。20人学級など、少人数学級が今後の課題である。

教育のハイブリッド化は、一方において教師の指導力を望ましい形に変えることを要請する。当面は20人学級など少人数化は難しいが、教育のハイブリッド化へ教師力を高めることは喫緊の課題である。

そこで、教師の力量形成のための研修を遠隔で行ってはどうかと考える。大規模公開オンライン講座である。文科省はICTサポート支援員を考えているが、企業でも有能な人材を求めているとき、地域的にも支援員は集まるであろうか。

教員研修を遠隔で行うことは、対面型の研修に比べて出張時間や費用がかからない。オンデマンドで行えるから、日々の職務への影響が少ない。いつでも活用できるし、仲間と課題を共有したり、実践につなげて話し合ったりすることも可能である。さらに、ICT先進国であるデンマークなどの事例も紹介してほしい。

教育のハイブリッド化は、教育の未来を開く大きな契機になることは確かである。

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