【クオリティ・スクールを目指す(191)】学校行事のよりよい再生のために

教育創造研究センター所長 髙階 玲治
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オンライン活用も登場する

2020年度はコロナ休校による授業時間最優先のために、学校行事などの削減が大きかった。

例えば、東京のある小学校は、どろんこフェスティバル、PTA自転車安全教室、企業体験、PTAデイキャンプ、水泳教室、中学校部活動体験、林間学校、地域行事を学ぶ会、ぶどう祭り、神社祭礼での鼓笛演奏、小中合唱交流会など、次々に取りやめにした。入学式、卒業式、運動会、修学旅行なども簡素化した。

実のところ、こうした行事は踏襲的に毎年行われてきたのであって、改めて21年度に復活・実施を考えると、個々の行事の在り方への校長の判断が強く意識される。

(1)従来の形のまま存続させるもの(2)存続するが、改良を加えるもの(3)完全に取りやめるもの――そうした判断が必要である。従来になかった行事の見直しが新たな課題になったといえる。

つまり、校長のリーダーシップが問われるのである。コロナ禍で教育活動を継続させる場合も、例えば文科省から示された3密を防ぐ10項目など、地域や学校規模によって対応が若干異なっていた。必要とされたのは自校に適合した校長の判断やリーダーシップであった。あまり話題になっていないが、校長のリーダーシップ復権が行われていたのである。21年度、学校行事の再構築は改めて校長の判断によるリーダーシップが求められる。

ところで興味深いデータが本紙(1月1日)に載っていた。学校行事などの見直し調査である。

それによれば、「規模を拡大」は極めて少ない。「廃止」も同様である。むしろ「規模を縮小」が入学式、卒業式、運動会・体育祭、文化祭・合唱祭に多く60%を超えている。

中でも、「一部または全部をオンライン化」とするのが、始業式、終業式、授業参観で40%前後である。新しい試みであって、今後オンラインなどの活用で学校行事が多様に変わる可能性がある。

なお、「オンライン授業」「独自の授業動画」についても調査していて、休校中に「かなり活用+少し活用」は前者で33・8%、後者は47・8%であった。対面授業が行われている現在では前者が27・4%、後者が26・7%に低下する。調査は20年12月初旬であるが、ICTが今後どう活用されるか興味深い。

ところで、教育新聞社がこうした調査を行うことは珍しいが、この調査により、学校が決して一律ではなく、それぞれに創意を働かしていることが見え、参考になる。

今はエビデンスに基づく政策立案(EBPM)が極めて重視される時代で、このような調査が実施されることは大いに歓迎すべきことである。教育界は多彩な課題が多いことから、今後も何らかの調査を期待したい。

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