【連載】教師のためのセルフコーチング 9 バランス感覚を振り返る

京都文教大学准教授 大前暁政

 

若い教師と一緒に過ごしていると、あることに気付きます。
それは、「バランスがとれていない」ということです。

例えば、いつも指示で子供を動かそうとする教師がいます。
毎回、強い指示を与え、威圧的に集団を動かすわけです。
これは、教師としては、あまりバランスがよいとはいえません。

教師なら、「時に子供を見守る」といった場面があってもよいわけです。
見守って、子供が自然と気付いて動くまで待ち、自立を促すようにするのです。

つまり、教師が先導する場合と、教師が後ろで見守る場合と、うまく使い分けてバランスをとらなくてはならないのです。

ところが、若い教師ほど、そのバランス感覚がありません。指示を出す指導しか意識にないので、振り返るための視点がないからです。
その結果、次の日も、一日中、指示ばかり出して終わるというわけです。

ちなみに、ベテラン教師も、似たようなことに陥っている人がいます。
ベテラン教師の場合、今までうまくいっていた指導が習慣になってしまったのが原因です。
強い指示で集団を動かして、うまくいっているのだから、あえて自分の指導を振り返ろうとは思わないわけです。次の年も、自明のこととして、強い指示を繰り返す日々を送ることになります。
教師ならば、自分の指導のバランスを振り返る機会をもつべきです。この場合は、「先導する⇔後ろで見守る」が、それぞれ何%ぐらいなのか、振り返ってみるわけです。

そして、先導する方が多いと感じたら、子供の自立のために、後ろで見守る指導を増やしてみるとよいのです。

このように、教師は自分の指導にバランスを持たせなくてはならないのです。
他にも振り返るポイントはさまざまあります。

「褒める⇔叱る」
「教える⇔気付かせる」
「命令する⇔導く」
「共感する⇔批判する」
「促す⇔待つ」
「コントロールする⇔任せる」
「話す⇔聞く」

それぞれの指導のバランスを振り返ると、自分はどんなタイプの教師かが分かってきます。
それを自分自身で把握しておくこと自体が大切なのです。

自分の指導に自覚的であれば、軌道修正をすることができるからです。

自分が普段している指導の反対側を意識すれば、極端にならずに済みます。
先導ばかりしている教師であるなら、その反対側の見守る指導を意識的にやってみるようにしなくてはならないのです。

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