【校長としての心構え】自校の課題を分析する大切さ②


元東京都立西高等学校長 石井 杉生


価値を置く対象の違い

前回触れたように、職務論文は既に東京都の行政系の昇任試験で導入されていた試験形式であった。職務論文による選考という発想は、おそらく教員系の職員からは出てこないだろう。私も当初、自宅で書くという点、人からいくらアドバイスを受けてもよいという点に関しては、納得するのに時間がかかった。

日々生徒の指導に当たる教員は、独自性・創造性に大きな価値を置く傾向がある。つまり、誰も思い付かなかったことを思い付いた人は素晴らしいという価値観である。従って、論文を読んでユニークな発想に出合っても、その実現可能性や解決策へのプロセスより、発想そのものに高得点を付けてしまうきらいがある。

しかし、職務論文で価値が置かれているのは、課題の分析力とそれに正対した対応策である。……

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