【職員室改革から(1)】なぜ、職員室をリノベーションしたのか

横浜市立日枝小学校 学校事務 上部充敬
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 初めまして。横浜市立日枝小学校の学校事務職員・上部充敬です。10回の連載を通して、今年6月に発刊した『教師の生産性を劇的に上げる職員室リノベーション32のアイデア』の内容と、そこで書き切れなかったことに触れていきたいと思います。

 この本には、そのタイトルの通り、職員室をより良くしていくための実践の数々が記されています。そう言うと、「なぜ職員室リノベーションなんて面倒なことをやるの?事務室だけ整えて、学校事務職員の仕事をしていればいいのでは?」と聞かれることがあります。私としては、学校施設・設備や物品を最大限使いこなし、先輩学校事務職員の言葉を借りると、教職員が働きやすく、子どもたちが学びやすい空間をつくるにはどうすればよいかを考えたからで、学校事務職員の仕事の一つを進めていただけたというのが、正直なところです。今回は、たまたま多くの教職員が関わる職員室という空間が対象になっただけです。そういう考えを育ててくれた先輩の学校事務職員、その思いに火を付けてくれた教職員が周囲にたくさんいてくれたことで、私自身は自然とそうした実践に入ることができました。その方々には心より感謝しております。

 「環境が変われば意識が変わる。意識が変われば働き方が変わる。」これは、私が職員室改革を進める中で、KEYになった言葉です。職員室の環境を変えることで目指したのは、教職員集団としての在りたい姿です。具体的に、横浜市立富士見台小学校では「ひびきあう教職員集団」を目指しました。

 とは言っても、毎日のように「教職員同士でひびきあいましょう」「今日もひびきあっていますか?」などと言われ続けたら、正直、どんな気持ちになるでしょうか。心が疲れて、気持ちが難しくなって、逆にひびきあえなくなってしまうのではないでしょうか。言い続ける方もつらくなっていきます。そこで、教職員がひびきあえるような職員室環境をつくり、その環境を使いこなす中で、ひびきあうことの大切さを感じてもらい、教職員個々に自己変容が起こることを目指しました。

 とはいえ、「言うは易し行うは難し」。少なくとも実践を開始した2010年当時、勤務校を含めて多くの学校の職員室は、私が小中学生時代に見てきた雰囲気と大差がありませんでした。せいぜいパソコンなどの機器が増えたくらいです。長年慣れ親しんだ職員室環境を変えていく、しかも、正解がどこにあるか分からない中での取り組みは、やりながら考えることの連続でした。次回以降、その具体例を紹介していきたいと思います。

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【プロフィール】

上部充敬(うわべ・みちたか)横浜市立日枝小学校事務職員。岩手県出身、茨城県育ち。大学院卒業後、私立高校で非常勤講師として働いた後、横浜市公立学校の学校事務職員に就職。初任校で学校事務職員としての在り方を学び、剣道部の顧問を経験。これらの経験がもととなり、2校目で教職員としての学び続けることの重要性、その学びを生かすための働き方を考えるようになり、職員室改革にまい進。その実践をまとめた『教師の生産性を劇的に上げる職員室リノベーション32のアイデア』を今年6月に刊行。今年度から、校長より、対話の場づくりを行うファシリテーターとして指名を受け、実践に挑戦中。認定ワークライフバランスコンサルタント。「先生の幸せ研究所」校内コンサル講座第1期修了生。魔法の質問キッズインストラクター。

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