【職員室改革から(3)】アイデアが駆け巡る状態

横浜市立日枝小学校 学校事務 上部充敬
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 職員室改革を進める際の対話の場で、参加者から次々とアイデアが生まれたらワクワクします。でも、アイデアが出ずに「しーん」となったときの恐怖たるや、言葉にできません。それが怖くて、自分のアイデアだけを話して、参加者に承認を強いるようになると、心理的安全性が下がり、会議への参加がつらくなっていくなど負のスパイラルに陥ります。

 対話の場づくりは、本当に難しいものです。特に「問い」の立て方は、訓練しかないと思っています。「問い」の技術と同様に、その前の土壌づくりも大切です。コンサルタントの方やコーチングをなさる方を見ていると、傾聴の姿勢を大切にしています。そういった方の前だと、人は安心して話し始め、次第にアイデアが溢れ出していく状態になります。心理的に安全な場づくりには、互いを生かし合う姿勢と技術が必要だと痛感しています。参加者個々に、その課題が「やりたいこと」として腹落ちしているかも重要です。「うちの職場、アイデアが出ないんだよ~」と嘆く前に、こういった点に着目していると、「しーん」としている場が、それぞれの中で思考が走っている状態なのか、課題に納得していない状態なのかが分かり、ファシリテートの方法も変わってくると思います。

 冷静に取り組みを批判してくる方もいます。これは、普通のことです。「結果の質」だけを批判してくる傍観者なのか、「取り組みのプロセス」に寄り添ってくれる人なのかによって対応は異なります。批判に振り回されず、取り組みを進めている組織の「関係の質」が高まっているかに注目しましょう。ダニエル・キム教授による「組織の成功循環モデル」は、「結果の質」を求め過ぎるとかえってアイデアが出ない状態になり、「関係の質」が悪化すると述べています。批判を恐れて、一時的に「結果の質」を上げても、その後により良いアイデアは生まれません。「やって良かった」という体験を繰り返し、「関係の質」を高めて、「次はこうしてみよう」というアイデアが、教職員の間で駆け巡る状態を目指しましょう。

 職場には必ず、スペシャル人材がいます。片付け上手、時短テク極め人、ホワイトボード好きな人、DIY好きな人、観葉植物好きな人、キャンプ好きな人、褒め上手な人、ICT好きな人等々・・・。外部人材の活用が必要な場面もありますが、最終的には今ここで働く仲間と共に職場はつくられます。スペシャル人材は、アイデアが駆け巡る起点になります。今日にでも早速、職場内のスペシャル人材に話し掛けてみませんか?

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