【職員室改革から(7)】顔を合わせる機会を増やしましょう

横浜市立日枝小学校 学校事務 上部充敬
この連載の一覧

 横浜市立富士見台小学校の職員室には、一般的な職員室とは異なる点があります。それは職員室中央に共有机があること、グループウェア画面が表示された大きなTVモニターがあること、教職員机が大型テーブルになっていることなどです。その他にも、見ただけでは分かりにくい仕掛けがあります。それは動線です。教職員が自然と通ってしまう動線をつくったことで、動線上で偶然出会った教職員間で、ちょっとしたコミュニケーションが生まれやすくなっています。

 とにかく学校現場は忙しいものがあります。例えば、6時間授業の日は、子どもが15時30分に下校します。15時30分から16時15分までが休憩時間の学校だと、放課後に残された勤務時間は30分しかありません。この時間で翌日の教材準備やその他多くの仕事をこなすのですから、とにかく多忙です。現実には、多くの教員が休憩なしで働き、残業することが常態化しています。こうなると、教職員間のコミュニケーションは、どうしても仕事上の用事のある人同士、気の合う人同士に偏ります。また、育児や介護を抱えた教職員は、学校に残ることができる時間ギリギリまで仕事をして、飛び出すように帰宅していきます。そのため、放課後にゆったりとコミュニケーションを取るのは難しい状況です。

 コミュニケーションが減っていくと、次第に互いの考えが分からなくなります。また、残業しないと教職員同士で対話できないという状況は、残業できない教職員の孤立を招きます。家庭に事情を抱えている教職員も含めて、なるべく勤務時間内に教職員同士のコミュニケーションを増やしたいとの思いで、職員室の動線を工夫しました。

 職員室内には、教職員の動線をつくり出す物品がたくさんあります。例えば、コピー機は多くの教職員が1日数回は使います。他にも、給湯スペースや教職員への配布物を入れるレターケース、拙著『教師の生産性を劇的に上げる職員室リノベーション 32のアイデア』に記した書類の集中保管場所も、人の流れを生み出しています。富士見台小学校では、上記の物品などを利用する際、教職員の動線が重なるように、職員室のレイアウトをつくりました。その結果、職員室内を移動する中で、自然と教職員同士が顔を合わせる機会が増えました。第4回で触れた共用テーブルの配置も、動線と併せて考えることで、より高い効果が生まれます。もし、動線の重ねすぎによる教職員の渋滞が起きたら、そのときは改めて動線を考え直してみてください。

 職員室内を移動する中、顔を合わせた教職員同士で、自然と会話が生まれる。そして、元気になる。コミュニケーションを少しずつ重ねることで相互理解を深め、強みを生かし合う。やりたいことを応援し合って、皆が元気になれる。そんな職員室をつくるための一つの仕掛けとして、参考にしていただければと思います。

この連載の一覧

あなたへのお薦め

 
特集