【職員室改革から(8)】やりながら考える

横浜市立日枝小学校 学校事務 上部充敬
この連載の一覧

 学校で仕事をしていると、教職員のパワーのすごさを感じることの連続です。子どもたちと共に学び、共に成長していく姿。教職員で一致団結して行事をつくり上げていく姿。例を挙げれば切りがありません。それ故に、いろいろな仕事を抱え過ぎて、多忙になっています。最近の文科省の通知で、教員が担うべきではない仕事等の区分が示されましたが、それでもまだたくさんの仕事を担っているのが現実です。

 本校では、「軽作業スタッフ派遣事業」が行われています。障害者施設の方々(以下、スタッフ)に有償で学校業務を委託する横浜市教委の事業で、本校はその試験校となりました。年間を通して週2回、スタッフの方々が委託された作業をしています。本校では教員とプロジェクト体制を組んで、スタッフの方々と子どもたちとの交流を通した学びが起こることも願いながら、委託内容を決めました。1年が経過しましたが、スタッフの方々は定例業務をこなしつつ、突発業務にも対応してくれます。スタッフの方々が学校で作業する光景は、本校の「当たり前」になっています。

 具体的に、学校中のエアコンのフィルターや換気扇・扇風機の定期清掃、子どもたちでは難しい場所の清掃、教室カーテンの取り外し・洗濯・取り付け、学年花壇の整地、倉庫の整理整頓、学校図書館の蔵書整理の補助、児童の机椅子の数の確認、教室や教室の前の廊下ワックス作業、教職員が使うファイルづくりなどを委託しました。実は、これらの個々の作業は、教員にとってそれほど負担感がないようです。今までやってきたことなので、こなせてしまうのです。そのため、「この作業、委託しませんか?」と聞いても、「そんなに負担ではないから、不要かな」と回答する人もいました。私から見ると、そういったこまごまとした作業の積み重ねや、その業務をいつやるかなどの計画立案作業も多忙の原因になっていると感じたので、その意見に耳を貸さず、委託を進めたこともあります。

 外部委託により誰かの業務は減りますが、外部委託に伴い発生する業務を誰かが背負うことになります。市教委の担当課の職員の業務負担も増えていると思います。新たに物事を始める際には、どうしても誰かに負荷がかかります。ただ、やらないと分からないことがあります。そんな中、ある用務員さんが「この事業がたくさんの学校の当たり前になり、皆が本来業務に集中できるよう、やりながら皆の業務負担が減る仕組みを考えよう」との言葉を掛けてくれたことがありました。働き方改革に正解はなく、失敗が起こることも多々あります。また、「失敗は、そのやり方がうまくいかなかったという事実がはっきりするだけ」と、教えてくれた方もいました。失敗したときは他のやり方を考える。そして、やりながら考える。そして失敗も受容する。そうありたいなと思う、今日この頃です。

この連載の一覧

あなたへのお薦め

 
特集