【職員室改革から(10)】自己と組織の目指す姿が重なる部分で仕事に臨む

横浜市立日枝小学校 学校事務 上部充敬
この連載の一覧

 本連載では、環境を変えることで、教職員の働き方が自然と変わっていく実践について記してきました。教職員一人一人の自己変容を促す風土づくりとも言えます。ただ、その前に大切にすべきことがあります。それは、教職員それぞれの「ありたい姿」です。そもそも、なぜ学校に勤めることを選んだのか、どのような教職員でありたいのか、何を大切にして働きたいのか。そうした自分軸がないと、組織の同調圧力に流され、自分を見失います。同質なものを大量生産・消費する時代は終わり、今は多様な価値観を生かしていく時代です。私たちが自己の「ありたい姿」を大切にして生きていくことが、子どもたちにとって何よりの学びになると思います。

 次に大切なのは、学校教育目標や経営方針と、自己の「ありたい姿」が重なる部分を探すことです。教職員同士の対話を通して、学校が目指す姿を具体化しながら、教職員それぞれの「ありたい姿」を共有して、どのように互いを生かし合っていくかを考えます。この過程で、学校教育目標や経営方針が「ジブンゴト」になっていきます。自分を消して、組織に滅私奉公しても、自分の中のどこかに無理が生じます。

 横浜市立富士見台小学校では「何のために働くのか」「ひびきあう教職員集団とはどのような集団か」といった対話を行いました。また、現任校の住田昌治校長は、経営方針を「問い」を発することで示します(とても面白い「問い」です。詳細を知りたい方は、校長の著書などをご覧ください)。いずれも、教職員同士の対話を促し、経営方針と教職員の「ありたい姿」の関連付けを支援しています。

 自己と組織の目指す姿が重なる部分で仕事に臨む集団は、自走し、成長していきます。この過程で、自己変容が起こってくるのだと思います。

 連載は、今回で最後です。これまで、読んでくださった方がアイデアを生むきっかけになればと思い書いてきました。アイデアを実行に移すとき、思い悩むことがあると思います。私は、そのようなとき、思い出す言葉があります。「人が想像できることは、必ず人が実現できる。だから、今やろうとしていることも実現できます。大丈夫です。」職員室改革で悩む私に、同僚の女性教諭が掛けてくれた言葉です。たくさん考えて、対話して、やってみなければ分からない段階に来たときは、やってみてから考えましょう。そして、迷惑を掛けたら謝罪しましょう。

 アイデアは実行することで価値を帯び、次に進むべき方向を照らしてくれます。実行したからこそ見えたことについて、うまく行かなかったことも含め、いつか皆さまと対話できたらいいなと思います。

 (おわり)

この連載の一覧

あなたへのお薦め

 
特集