【高校情報科のアップデート(4)】小・中・高等学校の情報活用能力

鹿野利春 京都精華大学教授

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 前回述べた「論点整理」を踏まえて、各学校段階や各教科・科目等の方向性について専門的に検討するため、2015年8月に「学校段階等別部会及び教科等別ワーキンググループ等」が設置された。情報については、独立して「情報ワーキンググループ」が設けられ、小・中・高等学校で育まれる情報活用能力の育成、高等学校の情報科の改善、必要な方策について議論が行われることになった。

 ここで画期的だったのは、「高等学校卒業までにすべての生徒に育むべき情報に関する資質・能力」を検討し、これを「小・中・高等学校の発達段階に応じた資質・能力育成の観点」として整理したことである。これで、学校段階ごとに身に付けるべき資質・能力がはっきりし、体系的な情報活用能力の育成が可能になった。

 この資質・能力および観点のイメージは、15年12月に行われた第3回の情報ワーキンググループの資料として配布された。そして、より精緻な形にブラッシュアップされ、16年1月に行われた第4回総則・評価特別部会の資料として配布された。その後、各教科では、この資料を基に情報活用能力をどう育むかについての議論がなされ、学習指導要領に記載されることになった。情報活用能力を教科横断的な資質・能力として位置付ける流れは、ここで決まったと言ってよい。

 第4回総則・評価特別委員会に提出された資料では、情報の共通必履修科目の内容について、「情報技術の理解と問題の発見と解決への活用」の例としてプログラミングなどが挙げられており、中学校の技術・家庭科「情報に関する技術」では、従来はなかった「コンテンツに関するプログラミング」が明記されている。高等学校の情報科でプログラミングを必須とし、中学校の技術・家庭科技術分野でプログラミングの量を増やすことが、ここで明らかになったと言える。小学校については、「情報手段の基本的な操作をできるようにするなど、発達段階に応じた資質・能力を小学校教育の本質的な学びを深める中で身に付ける」との記載から、情報活用能力の育成は、それぞれの教科の中で行っていくとの方向性を読み取ることができる。なお、小学校のプログラミングについては、別の有識者会議での議論を待つことになる。また、「情報Ⅰ」の内容は、小・中学校における情報活用能力の積み上げがあって可能になったものと言える。

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