【ヤングケアラーの子どもたち(4)】ケア内容とケアを担うことへの影響

田中 悠美子 立教大学助教・日本ケアラー連盟理事

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 前回紹介した実態調査から見えてきたことの中で、今回は家族のケアをしている中高生がどのようなケアを担っているのか、そして生活や学業に影響があるのかという点について述べていきます。

 まず、ケアの内容については、「きょうだい」の場合は「見守り」(中学2年68.0%)が最も多く、「家事」(全日制高校2年56.6%)も高い傾向にあります。「父母」の場合は、「家事」が中学2年73.3%、全日制高校2年68.1%と最も高く、「祖父母」の場合は、「見守り」(中学2年57.4%、全日制高校2年52.2%)が最も高くなっていました。

 さらに、ケアの頻度や量については、「ほぼ毎日」と回答した割合が高く、中学2年が45.1%、全日制高校2年が47.6%でした。また、平日1日あたりに世話に費やす時間については、中学2年生の場合、平日で平均4時間。高校2年生の場合、平日で平均3.8時間。7時間以上と回答した子どもも1割程いることが分かりました。

 次に、影響については、世話をしているために、やりたいけれどできていないこと(複数回答)として、中学2年生では「特にない」という回答が半数を超えていますが、その一方で「自分の時間がとれない」(20.1%)、「宿題や勉強する時間がとれない」(16.0%)、「友人と遊ぶことができない」(8.5%)、「睡眠が十分にとれない」(8.5%)という回答がなされていました。

 また、世話について誰かに相談した経験の有無を尋ねると、中学2年生では「ない」が76.6%、「ある」が21.6%、「無回答」が10.7%でした。相談した経験がある人の相談相手は、「家族」が69.6%、「友人」が40.6%、「学校の先生」が13.0%でした。相談した経験がない人は、その理由として、「誰かに相談するほどの悩みではない」(74.5%)、「相談しても状況が変わるとは思わない」(24.1%)が高い傾向にありました。

 自分はヤングケアラーにあてはまると思うかという質問に対しては、「あてはまらない」が85.0%、「わからない」が12.5%となっていました。

 以上のことから、ヤングケアラーは自分では気付きにくいこと、ケアを担っていることで自分の時間がそがれていることなどが分かります。深刻なケースは、お手伝いの範疇を超えて、過度な負荷が掛かっていることも想定されます。思春期の子どもが子どもらしく生活し、成長する大切な機会を保障するために、周囲の大人が気付いて何らかの働き掛けをしていくことが求められます。

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