【コロナ禍の学校を支えるアンガーマネジメント(6)】教員のアンガーマネジメント活用~行動のコントロール~

川上淳子 Edu Support Office代表

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 教員であれば、目の前で起きている出来事を見逃してはいけない、許してはいけない場面があります。思考のコントロールの三重丸の③許せないゾーンに入るなら、怒ればいいのです。

行動のコントロール(分かれ道)

 怒っても後悔しないのであれば、行動のコントロールの段階に進みます。まず、イラっとした出来事や状況が自分の力で「変えられる/変えられない」の線引きをします。次に、その出来事が自分の人生にとって「重要/重要でない」の線引きをします。「変えられる/変えられない」「重要/重要でない」の2軸で線引きをすると、取るべき行動は4つになります(図参照)

 行動を選択するとき、「自分にとっても周りにとっても長期的に見たときに健康的か」を基準にします。これを「ビッグクエスチョン」と呼んでいます。

 【変えられる/重要】

 相手の言動に改善を求めるなら、すぐに取り組みます。いつまでに、どの程度変われば気が済むのか、期間とゴールを設定します。

 【変えられない/重要】

 「変えられない」を受け入れ、現実的な選択肢を探します。変えられないことを変えようとし、変えられることを変えようとしないため、余計に怒りを感じているのです。

 【変えられる/重要でない】

 余力があるときに取り組みます。期間とゴールも設定します。時間に余裕のある帰宅後や休日などに取り組みます。

 【変えられない/重要でない】

 放っておく、関わらないという行動です。私たちは全てのことに関わろうとし、イライラを募らせがちです。自分が関わることが重要でなければ、関わらない行動を選びます。

 学力不振、宿題の未提出、先の見えない新型コロナ感染状況、確保困難な教材研究の時間、保護者からの相談、同僚の雑談、乱雑な職員室の机の引き出しなど、多くの先生が多岐にわたる問題を抱えていることでしょう。それらについて、4つの行動のいずれかを選び取ってください。私の現職時代を省みると、相手との関わりがうまくいかなかったときは分かれ道で右往左往していました。軸が定まっていれば適切で効果的な対応ができたはず。

 新型コロナ感染の第6波が懸念されるなど、答えのない時代を教員として歩むためにも理論を踏まえた行動が求められます。先生方自身がアンガーマネジメントの3つのコントロールに繰り返して取り組み、怒りに振り回されないすべを身に付けてほしいと願っています。自分の「べき」を知り、相手の「べき」で許せるものは許していくと楽に生きられます。

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