授業設計をどうするか、時間をどう調整するか。その実際はさておき、遠隔合同授業はどんな条件でも実施できるのか――。現在、小・中学校では、基本的に現行の制度的な枠組みに従って遠隔合同授業を実施しているが、高校では遠隔合同授業に向けた法整備を進めている。法整備は、今後どの校種でも、参考情報として議論の土台になる可能性があるため確認しておきたい。 通知「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の施行について」(2015年文科省第289号)では、高校での「多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させる授業」(メディアを利用して行う授業)について書かれている。この省令により、高校などでは、メディアを利用して行う授業ができるとした。 ただ、それには条件がある。……

東京都立光明学園統括校長 田村 康二朗

医療的ケアを巡る歴史の第2回目では、教職員が医療的ケアの担い手に加わる過程を述べる。
■違法性阻却(そきゃく)の時代~東京都の救急体制整備事業を例に
医療的ケアが必要な子供の受け入れは、現状で保護者の負担も大きい。そのため、学校(教員)とPTA(保護者)、文科省、都道府県教委の関係者が知恵を出し合って打開策を探った。 例えば、東京都の検討委員会で考え出された制度が「救急体制整備事業」だった。……

横浜国立大学教育学部博士・高野陽介

高校の特別支援教育の考え方や議論は進んできている。しかし、実際の教育現場で、教育を受ける障害者側と教育を施す学校側の考え方や求めるものが双方で十分に理解されていない。入学への過程やその後の学校生活がスムーズに行われているとはまだ言い難い。 筆者自身、中学3年時の事故で重度の肢体不自由になるも、学校で学びたいという意欲を持ち続け、高校進学の道を模索し続けた。 肢体不自由者が高校進学を希望した場合、主な選択肢は、高校と特別支援学校高等部が考えられる。……

これまで9回の連載をお読みいただいた感想はどのようなものだろうか。 弁護士が書くものだから、もっと法的でロジカルな内容を期待していた読者も多かったかもしれない。 スクールロイヤーの仕事は、問題行動を起こしたり不登校になったりした子供の「子供観」を見取り、教員が子供と保護者にどう「寄り添う」かを支援するといった、エモーショナルな事柄に通じることが多い。……

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

『やまと』は、40年以上続いている奈良県教育振興会の会誌である。その7月号に元小学校長で米国の補習授業校の校長もした森本昭憲氏が帰国子女の課題について書いている。 その文中「帰国子女は、外国へ行って言葉で苦労し、帰国して日本の学校に適応するのにまた苦労する」と言われます、という。 日本の子供なのに、日本の学校に適応が難しいのはなぜか。……

前号でも触れられているが、遠隔共同学習の取り組みは2002年度実施の小・中学校の学習指導要領で「総合的な学習の時間」が実施され、インターネット環境が一部の学校に導入されたことを背景に、盛り上がりを見せるようになった。 「100校プロジェクト」以外では、NHK学校放送番組の活用と連動して実施した取り組みがある。それが『インターネットスクール・たったひとつの地球』という環境教育用番組である。番組を視聴するだけではなく、掲示板上で意見を発信したり、学校間をテレビ会議システムでつなぎ、地域の環境問題を話し合ったりする活動が行われた。 これが発展し、01年から「おこめ」という番組がスタートしている。……

東京都立光明学園統括校長 田村 康二朗

まず、現在の学校における医療的ケアに至るまでの大まかな流れを述べたい。
■養護学校創始の時代
1932年、日本で最初の肢体不自由教育を行う学校が東京都港区南麻布に開校した。東京都立光明学園の前身である「東京市立光明学校」だ。その後、世田谷区松原に移転した。戦前、戦時下の疎開、戦後と激動の時代の中で、全国唯一の肢体不自由公立校として、教育を蓄積した。 1957年に養護学校に移行し、専門教育を継続した。……

eye-catch_1024-768_takashina-performance教育創造研究センター所長 髙階玲治

 最近、教育環境も加速度的に情報であふれるようになったが、学校や教員への浸透度はかなり低いという印象がある。新学習指導要領が変わり、多くの情報が伝搬されていても、ほとんど自覚的に受容されていない実態がみられる。  校内でのコミュニケーションの場が極端に少なくなっている。むしろ、個々の職務に専念するという名目で職員会議の回数や打ち合わせの時間を減らす学校も多くみられる。しかし、少ない会議で共通認識が得られ、協働体制が保持できるのは、個々の教員の力量が十分備わっている場合である。若手教員が増加している現状では無理なだけでなく、新指導要領に移行するという課題を抱えている時期では校内の共通認識は必須である。多忙化もあって、それが十分ではない。  現在、学校の働き方改革が多様に論じられているが、改革で必要なのは単に多忙化軽減のみではない。……

スクールロイヤー(SL)が学校から相談を受ける不登校の例には、以下のようなものがある。 ある時点までは登校していたが、いじめや友人関係のトラブル、学校と保護者との行き違いをきっかけに始まったケース、入学当初から子供がほとんど登校していないケースなどがある。 SLが学校から受ける相談も、不登校が始まったばかりの状況から、相当長期化している場合までさまざまだ。……

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

AIではできない力の獲得を

将来においてAI(人工知能)が格段に進化することは確かであるが、その結果として人間が職を奪われるのではないか、と心配する声が大きい。すでに将来、AIにとって代わられる仕事、代わらない仕事などが予測されている。恐らくは近未来において徐々に転換が起きるであろう。 それに対して学校教育は子供の将来的な資質・能力をどう身につけるか、が問われることになる。いわば、AIにはできない「力」を身につけることが重要になる。 ところで新井紀子教授(国立情報学研究所)の調査によれば中・高校生などで極めて「読解」が低いという深刻な実態がみられるという(『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社、2018)。……

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