eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

AIではできない力の獲得を

将来においてAI(人工知能)が格段に進化することは確かであるが、その結果として人間が職を奪われるのではないか、と心配する声が大きい。すでに将来、AIにとって代わられる仕事、代わらない仕事などが予測されている。恐らくは近未来において徐々に転換が起きるであろう。 それに対して学校教育は子供の将来的な資質・能力をどう身につけるか、が問われることになる。いわば、AIにはできない「力」を身につけることが重要になる。 ところで新井紀子教授(国立情報学研究所)の調査によれば中・高校生などで極めて「読解」が低いという深刻な実態がみられるという(『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社、2018)。……

 日本で最初にテレビ会議システム(CU-SeeMe)を利用した遠隔合同授業が行われたのは、1995年9月22日のことである。 小規模校の長野県美麻村立美麻小学校と茨城県つくば市立桜南小学校の4年生が、社会科の授業で互いの地域の自然や産業について紹介し合った。  合計2回の授業を計画。2回目は両校が参加していた「100校プロジェクト校(ネットワーク利用環境提供事業)」の公開研究会に位置付けていた。美麻小は約20人、桜南小は600人を超える参観者があった。  1回目の授業は、桜南小の児童が茨城県の自然について発表した。……

東京都立光明学園統括校長 田村 康二朗

文科省は昨秋「学校における医療的ケア実施に関する検討会議」を設置し、2019年3月までの1年4カ月をかけて、新たな時代の医療的ケアの在り方を検討している。私も全国の教職員を代表して委員に加わっている。医療的ケアの議論は前回の検討会議以来、約5年ぶり。この間の社会状況の変化を踏まえた設置である。 前回時との違いは、会議名称が象徴している。前回は「特別支援学校における~」とあったのが、今回は「学校における~」と、全ての公立学校を含むものになったのである。それを示すように、検討会議の委員には、小・中学校を設置する市教委担当者も加わっている。 なぜ「検討」が必要なのか。グラフは、小・中学校における医療的ケアを必要とする児童生徒数の推移を表したものである。……

元東京都立西高等学校長 石井杉生

シリーズの最後である今回は、A(改善)の段階の課題と併せて、PDCA全体の課題を述べてみたい。まず、A(改善)の課題について、前回のC(検証)と密接に関係しているが厳密な検証が行われていないため、改善策が有効だとは限らない。 教育の検証はなかなか難しい。良かれと思ってやることが必ずしも生徒に受け入れられるとは限らないからだ。子供たちの成長は予想できないことが多い。だからといって、マネジメントサイクルを避けて通ることはできないし、無視するわけにもいかない。 こう考えたとき、私の出した結論は「限定して使う」ということである。……

スクールロイヤーとして相談を受ける中で、子供が負傷するケースがある。原因は、けんかや悪ふざけ、授業や部活動でのけがであり、中には教員の不注意による事故もある。

 負傷した子供が、骨折などにより日常や学校生活に影響が及んでいる場合もある。負傷した子供の保護者は、子供の将来への不安が大きくなり、加害側に対する怒り、不満や学校に対する怒り、不安が増大している。その中で、学校は各当事者の保護者対応に苦慮するケースが出てくる。特に学校の「責任」を追及したり、他方当事者への要望を学校が仲介してうまくいかなかったりした場合である。当事者間の問題と、各当事者と学校との問題が重なり、事態が複雑化していることもある。  こうした相談では、事故発生時の学校の法的責任の有無について、教員から質問を受けることが多い。……

今回から遠隔合同授業に関する連載を始めることになった。遠隔合同授業はこれまで、一般的に遠隔教育、遠隔共同学習、遠隔授業などと呼ばれてきた。定義は数多くあるが、取りあえずここでは「遠隔会議システムなどを利用して、物理的に離れた複数地点を接続し実施する授業」としたい。 一般的にこうした授業は「同期」か「非同期」に分けられる。「同期」というのは、同じ時間を共有するが、空間は異なるものである。テレビ会議システムを活用するようなやり方がその代表例となろう。「非同期」というのは、空間も時間も共有しないというものである。例えば、ウェブサイト上の掲示板や、最近ではSNS(会員制交流サイト)を使うようなやり方がそれに当たる。いつでもどこからでも書き込めて、議論できる特徴がある。 ここでの遠隔「合同」授業とは、どちらかというと同期的な学習の意味合いが強調されている。……

上越教育大学教職大学院教授 西川純

「学び合い」を一緒に
私の教師としての原体験は、最初に勤めた定時制高校です。学力的には最底辺で、分数の計算ができない生徒が多数を占める学校でした。生徒の中には暴走族とそのOBやOGも多数いました。そんな生徒たちに物理を教えたのです。当然、駄目でした。 ただ、先輩教師には恵まれました。先輩たちに慰められ、教えられて教師として成長することができました。しかし、どこまでやっても全員の生徒に学習内容を理解させることはできませんでした。私がしたのは、全生徒を分かった気にさせることです。これはできました。なぜなら、生徒の多くは「分かる」感覚を体験していないからです。生徒に「お前は分かっている」と言えば、生徒はそう思っていました。 生徒たちが抱えている業の深さと重さを知ったとき、私はおののきました。……

元東京都立西高等学校長 石井杉生

 前回は、C(検証)段階の課題として、集計に要する膨大な作業時間を挙げたが、これはカードリーダーの導入で簡単に解決した。  カードリーダーの導入で、担当者が約1カ月かけていた集計作業は、わずか数時間で終わってしまった。初期投資は、カードリーダーの数万円だけ。マークシートカードは1枚7円で、生徒と保護者合わせて2千枚。合計1万4千円程度、これがランニングコストである。  しかも、このカードリーダー導入には、思わぬ副産物があった。……

スクールロイヤーに対する相談で多いのは「保護者対応」と呼ばれるものである。そこには、さまざまな事案が含まれている。よくあるのは「無理な要求をする困った保護者にどう対応するか」である。  保護者の要求には、自己中心的な考えとしか思えないものや、不当とまでは言えないが学校として受け入れることが困難なものがある。このような要求が繰り返し出された場合、直接関わる学校としては、保護者に対して対立的な見方になるのもやむを得ない面がある。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家から助言を受けることで、効果的な対応策が見つかる場合もある。  学校は、これら専門家からの意見を参考に、保護者の行動や考え方の傾向・特徴の背景を理解でき、適度な距離感を保って対応することが可能になる。……

上越教育大学教職大学院教授 西川純

カリキュラム・マネジメントとは、子供と教師の一生涯の幸せを保証するために教師集団がアクティブ・ラーニングをすること。それを成功させるにはどうしたらいいでしょうか。 第一に、その理論と方法が教科横断的である必要があります。例えば、国語科教師と社会科教師が考えるアクティブ・ラーニングの理論と方法論が違っていれば主体的・協働的に学べません。せいぜいiPadのようなツールの使い方でしか通じ合えません。 第二に、効果がなければいけません。……

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