個別の支援計画をクラウドで 一貫した指導ができ成果

取り組みの成果を報告した野口執行役
取り組みの成果を報告した野口執行役

学校と家庭、塾をICTでつなぐ――。野口晃菜株式会社LITALICO執行役員は3月3日、東京都新宿区のベルサール新宿グランドで行われた平成27年度総務省ICTドリームスクール実証モデル成果発表会で「特別支援児童への学校―保護者―民間塾連携による教育モデル」について報告した。

同社は今年度、都内公立小・中学校に通う児童生徒3人について、クラウド上のSNSを活用し、学校、保護者、塾が共有する個別の支援計画を作成した。

このうち、小1女児の場合、指示理解の困難さと学習の遅れがあった。学級では体育の着替え、給食の準備をはじめ、生活面で他の子どもと同じように行動できなかった。

そこで学校では、分かりやすく指示を与える、何かができたときにはすぐにシールをあげるなどでプラス評価をした。家庭では、着替えなどを時間内にできるように練習をした。塾ではスケジュール通りに動くようにした。

それぞれの場における女児の様子を指導記録として共有し、目標に向かって進捗状況を把握した。一貫した指導により、当初の目標が早く達成でき、新たな目標を立てるまでになった。

野口執行役員は「3人については、共有する個別の指導計画が策定され、最優先の目標を今年度に達成できた。必要な合理的配慮の提供も実現できた。面接や電話でなく、SNSでの連携が可能になった成果が現れた」と評価する。

今後は、個別の指導計画策定をシステム化し、より多くの子どもについて実現していきたいとする。

さらに、3人が通う学校から、Leafには通っていないが、支援が必要な子どもにもこのシステムを活用したい、との要望があった。その対応も今後検討していきたいという。

公立学校で通常の学級に在籍する特別な支援が必要な子どもは6.5%。このうち個別の指導計画が策定されているのは9.9%(2012年文科省調べ)だ。

同社は、発達障害のある、あるいは傾向がある幼児、児童、生徒が通う学習塾Leafを全国で58教室運営しており、約8千人が通っている。特別な支援を必要とする子どもたちは、どの場でも一貫した指導が必要だとして、家庭や学校と情報を共有するようにしている。成果として、学習スキルやコミュニケーションスキルの定着、獲得が見られる。