教職員定数改善等を求めるアピール 全文

教職員定数を10年間で約4.9万人削減する財務省案が11月4日に示された。それに先立つ11月1日、全連小、全日中など教育関係23団体で作る「子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会」は、「子供たち一人一人にきめ細かな教育を実現するための教職員定数改善等を求めるアピール」を採択した。

その中では、「国の財政制度等審議会などでは、費用対効果の観点を重視し、子供たちや学校の状況を顧みない少子化を理由とした機械的な教育費の削減が議論されており、私たちは極めて憂慮しています。めまぐるしく社会が変化する時代にあって、今必要なのは、日本の未来を担う子供たちの力をきめ細かな指導によって育てることと、そのための教育投資です」と訴えている。

同会を作る23団体は、▽日本PTA全国協議会▽日本教育会▽全国市町村教育委員会連合会▽全国都市教育長協議会▽中核市教育長会▽全国町村教育長会▽全国連合小学校長会▽全日本中学校長会▽全国公立小・中学校女性校長会▽全国特別支援学校長会▽全国連合退職校長会▽全国高等学校長協会▽全国公立学校教頭会▽全国特別支援教育推進連盟▽全国へき地教育研究連盟▽日本連合教育会▽全国養護教諭連絡協議会▽全国公立小中学校事務職員研究会▽全国学校栄養士協議会▽日本教職員組合▽全日本教職員連盟▽日本高等学校教職員組合▽全国教育管理職員団体協議会。

財務省案が示されたいま、あらためて、同アピールの全文を掲載する。


子供たち一人一人にきめ細かな教育を実現するための教職員定数改善等を求めるアピール

次代を担う子供たちの健やかな成長は、すべての大人たちの願いであり、子供たちが全国どこに生まれ、どんな家庭環境で育ったとしても、等しく良質な学校教育を受けられるようにすることは、私たち大人、そして国の責務です。

高い水準の豊かな教育を実現するためには「教職員の資質の向上と数の充実」が不可欠です。とりわけ、近年、学校や子供たちを取り巻く状況は、ますます多様化、複雑化、困難化しており、教員の多忙化も問題化しています。こうした状況に対処するためには、教職員の指導体制の充実と教員以外の人材の活用を一体的に推進していくことが非常に有効な手段であると考えます。しかしながら、国の財政制度等審議会などでは、費用対効果の観点を重視し、子供たちや学校の状況を顧みない少子化を理由とした機械的な教育費の削減が議論されており、私たちは極めて憂慮しています。

めまぐるしく社会が変化する時代にあって、今必要なのは、日本の未来を担う子供たちの力をきめ細かな指導によって育てることと、そのための教育投資です。

子供たち一人一人に向き合ったきめ細かな教育を継続的に実現していくには、今こそ、法律改正により確実な裏付けのある新たな教職員定数改善計画を策定することが必要です。

加えて、小・中学校のみならず、高等学校、特別支援学校等のあらゆる学校の教育環境の改善を実現し、より一層の良質な教育を子供たちに約束することが、私たち教育に携わる者の責務であります。

以上のことを踏まえ、私たちは日本のすべての人々に、次の事項の実現を強くアピールします。

一、子供たち一人一人に向き合ったきめ細かな教育を実現するため、これまでの少人数学級・指導等への取組や、障害をはじめ特別な配慮が必要な子供たちが増加している状況も踏まえ、法律改正による確実な教職員定数の拡充を盛り込んだ、新たな教職員定数改善計画を策定するとともに、平成二十九年度予算においては、この計画を反映した人的措置・財政措置を行うこと。

一、いじめ問題をはじめ、教育現場が抱える様々な課題への対応など学校運営の改善充実や、家庭の状況等にかかわらず、安心して学ぶことのできる環境づくりなど、個別の教育課題に対応した加配定数等の充実を図るとともに、東日本大震災により被災した児童生徒のための教職員定数の加配による支援を今後も継続的に行うこと。

一、意欲と情熱をもって教育に取り組む優れた教職員を確保するため、人材確保法の趣旨をふまえた措置とともに、教育の機会均等とその水準の維持向上を図るため、その根幹となる義務教育費国庫負担制度を堅持し、また、地方財政を圧迫し、人材確保に支障が生じることのないよう、義務教育費国庫負担金及び地方交付税の財源確保を行うこと。

一、教育投資は未来の日本への先行投資であり、国の最重要事項であることから、右に掲げる諸方策の実現にあたっては、既存の教育予算の削減や付け替え等によるのではなく、計画的・安定的な財源確保を行うこと。

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