(教育時事刻々)2015年12月中旬~2016年1月中旬ふりかえり

本紙トピックス

◇昨年12月10日付

懲戒教員にアンケート=茨城県教委は、体罰事案で懲戒処分などを受けた教員を対象にしたアンケート結果を公表した。それによると、体罰発生は部活動時が最も多かった。原因は感情的になったとの理由が最多だった。県教委は調査結果をもとに、研修の充実などを図る方針だ。

いじめ重大事態93件=文科省の第3回いじめ防止対策協議会が27年12月2日、省内で行われた。いじめ防止対策推進法第28条規定の「重大事態」に関する平成26年度の調査結果が明らかになった。それによると、いじめにより子どもの生命、心身または財産に重大な被害が生じた件数は93件。自殺5件、自殺未遂13件、身体への傷害23件、精神性の疾患の発症21件、金品等の重大な被害8件、その他23件。学校種別では小学校26件、中学校42件、高校25件。このうち警察と連携したのは小学校12件、中学校21件、高校14件と、いずれも約半数だった。いじめによって幻聴があらわれた生徒もいた。

◇昨年12月14日付

方針は教委のCS積極導入=文科省は27年12月7日、初中分科会「地域とともにある学校の在り方に関する作業部会」と生涯学習分科会「学校地域協働部会」の合同会議が開かれた。コミュニティ・スクール(CS)の拡充方策や学校と地域を結ぶ「地域学校協働本部」(仮称)の整備方針などを盛り込んだ答申がまとまった。上部組織である両分科会の審議を経て、同月21日の中教審総会(第104回)で答申される。案では、教委がCSの積極導入を検討する方針とした。

高校基礎テストで説明会=文科省は高校での学力の定着を測る「高等学校基礎学力テスト」(仮称)の民間企業向け説明会を27年12月7日、都内で開き、大手予備校や教育関連のソフトウェア会社などから約160人が出席した。同省の担当者が高大接続システ会議の中間とりまとめを基に概要を説明。参加者からは評価の内容やコンピュータを活用した出題の在り方について質問が相次いだ。だが、未確定な部分も多く、具体的な回答は得られなかった。

◇昨年12月17日付

全連小が教職員定数削減反対で国会議員に要望書=全連小の大橋明会長(東京都渋谷区立加計塚小学校長)をはじめとする執行部役員は27年12月11日、衆参議員会館を訪れ、「小学校教育の充実・改善に関する要望書」を国会議員62人に手渡した。対象は、安倍晋三首相、馳浩文科相、義家弘介副大臣をはじめ、自民、公明、民主各党の文教委員など。要望書の柱は、財政審が出した教職員定数の削減方針に対する反対表明。35人学級の実現など、教職員の定数改善を求めた。

ひとり親家庭の実態を調査=神奈川県は、(社福)恩賜財団母子愛育会愛育研究所と共同で、同県内の「ひとり親家庭」の現状やニーズを把握するアンケートを27年8月に行った。「公共料金の支払いが滞った」「多忙で中学生のわが子に弁当を作れないので、中学校で給食を実施してほしい」など、切実な実態が明らかになった。

◇昨年12月21日付

「紙との併用望ましい」と保護者=学校や家庭での「デジタル教科書」使用について、小・中・高校生の保護者は肯定的に捉えてはいるものの、紙との併用が望ましいとの回答がほとんどだった。文科省の調査で明らかになった。

高校通級指導の問題洗い出す=文科省の高校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議は、第3回会合を27年12月15日、同省で開いた。高校通級指導の制度化の意義と制度設計の方向性について、課題や懸念内容などをまとめた論点整理から考えた。意見交換では「通常学級との相互指導などを踏まえ、単位認定の仕組みをどうするか」「通級指導について保護者、生徒が気軽に相談できる機会や場を工夫すべき」「生徒の状況を中学校段階から継続的に記録、継承、把握するための仕組みづくりを」など、高校通級指導の問題が洗い出された。

◇1月1日付

馳浩文科相に新春インタビュー=「学力とは生活する力」「教員は家族を大切に」「教員定数で義務標準法改正へ」などと、思いと抱負を語った。馳文科相は、教員、ロス五輪のレスリング日本代表、プロレスラー、国会議員と、異色の経歴をもつ。

◇1月7日付

馳浩文科相が年頭所感=「日本の『未来省』として邁進する」として、▽一億総活躍社会▽教職員定数の戦略的充実▽東日本大震災からの復旧・復興▽国の最重要政策としての教育再生などについて、取り組みの充実を述べた。

文教関係予算4兆5百億円=政府は昨年12月24日、平成28年度予算案を臨時閣議で決定した。一般会計の総額が96兆7218億円となり、27年度の当初予算96兆3420億円を上回り、過去最大となった。文科省の予算案は5兆3216億円で、今年度より133億円減。このうち、文教関係は27年度よりも90億円下回り、4兆557億円となった。教職員定数は3475人の減となったが、加配定数は今年度よりも増員した。幼児教育無償化について対象が拡大される見込みとなった。

◇1月11日付

検定中の教科書を閲覧させた=三省堂に続いて、検定期間中の教科書を校長らに閲覧させていた出版社が、また発覚した。チャート式などで知られる数研出版が、部外者への閲覧が禁止されている検定中の教科書を中学校長らに見せたり、意見を聞いたりしているのが分かった。文科省は、検定終了後の採択期間中に教科書に関して講習会や研修会等を主催してはならないとしている。これについて業界団体である(一社)教科書協会は、全教科書発行会社が参加する公正な説明機会を持つほうが、事前の不正な閲覧などを防ぐとして、文科省の縛りを解くよう同省に求める方向で検討を始める。同省は、義務教育課程の教科書を発行している各社に調査を求めており、1月20日までに取りまとめるよう指示している。

◇1月18日付

義家文科副大臣が「指定取り消しも」と示唆=検定期間中の教科書を教員らに閲覧などをさせていた問題で、業界団体である(一社)教科書協会は1月8日、臨時会合を都内で開いた。出席した義家弘介文科副大臣は、教科書会社を対象にした1月20日までの緊急調査で虚偽報告などがあった場合、教科書無償措置法に基づき、発行者の指定取り消しを含めて厳しい対応を検討すると説明した。同協会の佐々木秀樹会長は、自主ルール「宣伝行動基準の見直し」について、「この春までに方向性を示す」と明言した。1月8日には、業界大手の東京書籍も、検定中の教科書を教員らに閲覧させていたとして、文科省に謝罪に訪れている。

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