不登校からの復帰に 遠隔授業端末で実証モデル

シャープ㈱が沖縄県で

遠隔授業端末の使用で少人数教室に通う生徒が通常学級に復帰――。

シャープ(株)の高木文彦副参事は、3月3日に東京都新宿区のベルサール新宿グランドで行われた平成27年度総務省ICTドリームスクール実証モデル成果発表会で「少人数教室登校生徒へのリメディアル教育」について報告した。

同社は琉球大学の協力のもと、沖縄県宮古島市教委とともに、市立平良中学校で、少人数教室に通う生徒に通常教室の授業を遠隔授業端末で見せる取り組みをした。

不登校から通常学級への復帰の前段階として、生徒は少人数教室に通ってくる。そこに遠隔授業端末を設置し、通常の学級で行われている授業が視聴できるようにした。

また、小学校から不登校になった生徒のために、市立平良第一小学校の授業も見られるようにし、学力の基礎部分を補った。タブレット端末を使い、個々の学力にあったドリル学習もさせた。

昨年11月から2週間に1回程度での取り組みで、8人中2人が通常学級に復帰した。

復帰した1人は、人間関係のトラブルで不登校になった。少人数教室に登校するようになり、プリント学習をしていたが、通常学級の情報がなく、復帰意欲、学習意欲も減少していた。

その後、デスク型遠隔授業端末で授業の視聴が可能になったため、復帰意欲、学習意欲とも向上し、今年に入って通常の学級に通うようになった。

生徒は「別の部屋にいながら教室で授業を受けているようだった。ただ、小さい文字が見えにくかったのと見たい場面が選べなかったのが残念」と振り返る。

教師は、「学習クラウドをタブレット端末で利用したので、学習プリントと比べて少ない手間で生徒の学力が把握できた。小学校のどの授業を見せるかに役だった」と評価する。

高木副参事は、8人中2人の復帰について、「復帰意欲、学習意欲が共に高い生徒には効果的だった。復帰意欲が低い生徒に対しては、ICTを使う以前に教員による生徒へのサポートが必要。学習意欲が低い生徒には、ICTをうまく活用して意欲喚起できるのでは」とした。

今回の実証は、年度途中からであり、実証体制や対応可能な教員が限られた状況だった。今後、年度初めは対象となる状況の生徒が増える時期なので、早い時期から計画したいとする。

今後は、よりクリアな音質と高精密画像も実現していく。教員への負担を減らすため、ワンタッチ接続、遠隔カメラコントロールなど、手軽に運用できる遠隔授業システムの構築をしていきたいとした。

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