中高生が模擬国連 差別撤廃や人権保護強化を

LGBTで熱い議論 公文国際学園

各国大使が自国のプラカードを上げて決議
各国大使が自国のプラカードを上げて決議

公文国際学園中等部・高等部(横浜市)は3月20日、中・高校生による11回目の模擬国連”Model United Nations of Kumon”(MUNK=ムンク)を開催した。同校を含めて17校の、生徒100人ほどが参加した。テーマは「LGBTコミュニティーの保護と社会進出」。生徒1人か2人ごとに世界各国の大使の立場となり、国連会議と同じ形式で、このテーマに関して英語で活発に議論を重ねた。

事前に配布された各国の考えや意見をまとめた「草案集」と、各国大使が30秒で自分たちの主張や立場、考えを発表する「スピーカーズリスト」の場を参考に、他国がこのテーマについて、どのような意見や解決案をもっているかを理解し、ロビー活動を実施する。その活動の中で、意見や考えの近い大使同士が集まり、グループを形成。こうして、3グループが決議案を作成した。

各グループの決議案については、セッションの中で修正案の発表や質疑応答などが行われ、最終的に多数決で決議案が採択される。各国大使は、国益を考えながら他国の考えも理解し、交渉を通じてより大きな視野で物事を考え、調整を図り、国際社会全体にとって有益な決議を導き出していった。

採択された決議内容は、LGBTの人たちが快適な環境下でコミュニティーを形成するために、「犯罪指定、暴力、差別の廃止」「人権保護強化に必要な措置を公に主張し、演説や声明、マスコミ報道などの各種広報活動やイベントおよび関連する教育活動を実施する」など。決議に際しても、各国の宗教的、文化的な国内事情も踏まえ、白熱した議論が展開された。

議長団の1人、同校高等部2年生の荒井芙海さんは、昨年、アメリカに1年間留学。オランダのハーグで行われた模擬国連で副議長を務めた。

荒井さんは「模擬国連で『何を学んだのか』と聞かれても、形にできることを学んだのではない。外国人と話したときに理解や共感ができること、人と交渉する技術など、日常の学校生活の中では自覚できないことを学んだと思う。日本の学生の課題は経験の差。経済的な問題を考えると、海外に何度も赴くのは難しい。海外の学生を数多く招待できる模擬国連などのような大きな会議を、日本でも多く開催するのが大切だと思う」と自らの経験と思いを語った。

模擬国連はテーマを設定する際に、「すでに議論はされているが、解決にはいたっておらず、中高生の世代が対処していく課題である」「国や文化の違いによって切り口が異なる」「他国がこの問題にどう対応しているのかを知ることで、多様な角度からものを見る力を育成する」――のがポイント。国際問題への理解を深め、国際政治のしくみや国際的な合意形成の過程などを学ぶのが目的で、企画・運営、資料作成や当日の進行まで、全てを実行委員の生徒を中心に、主体的に進められる。

同校URL=http://kumon.ac.jp/k-gakuen/kokusai/

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