教科書の日 (一社)教科書協会新会長に聞く

(一社)教科書協会新会長 鈴木一行

最高のクオリティを提供
未来を創る児童生徒のために

(一社)教科書協会新会長 鈴木一行
(一社)教科書協会新会長 鈴木一行

教科書発行者で組織する一般社団法人教科書協会の新会長に就任した鈴木一行会長((株)大修館書店社長)に、教科書発行に寄せる思いなどについて聞いた。

◇  ◇  ◇
――教科書は“主たる教材”として、学校現場における教師の指導と児童生徒の学習を支えています。教科書発行者の代表として教科書に対する思いを教えてください。

教科書は、「小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及びこれらに準ずる学校において、教育課程の構成に応じて組織排列された教科の主たる教材として、教授の用に供せられる児童又は生徒用図書であり、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するもの」(教科書の発行に関する臨時措置法第2条)とされており、主たる教材として、学校現場でお役に立っていることと存じます。私ども発行者は、教科書について「未来の日本を創る子どもたちが、未来を創るための勉強をするための教材である」と考え、わが国においてたいへん重要な意義と役割を課せられた出版物であるとの自覚をもって、発行に臨んでいます。

――編集・著作に当たって心がけていらっしゃることは。

出版物として最高のクオリティで発行するということです。一般の書籍ももちろんそうですが、教科書の場合、それ以上にていねいに作成することを心がけています。原稿の執筆をはじめ、レイアウト、印刷、製本など、各発行者がこれまでに蓄積したノウハウを駆使して最高のものを作り上げる努力をしています。制作にかかわってくださる著者や会社に対しても、教科書の価値を十分に伝え、最高の取り組みをしてもらえるようお願いしています。

――次期学習指導要領の改訂が進められています。教育の新たなトレンドにはどのように対応していますか。

世の中は動いていますから、教育の在り方も変わっていきますし、また変わらなくてはなりません。学習指導要領が改訂されるなど新たな方向性や方針が打ち出されれば、発行者はそれを徹底的に分析します。それぞれの編集方針に従って、現場の先生方や教科の専門家などの協力を得て、原稿の執筆、紙面づくりを進めます。ここは各社の腕の見せどころとなります。

――デジタル教科書が注目を集め、ITへの対応が求められていますが、どのようなお考えをおもちですか。

テクノロジーの進歩、それに対する文科省や学校現場の考え方などに十分配慮するとともに、デジタルのメリットを生かして取り込んでいくということでしょう。個人的には、紙ベースの教材のメリットも重要であると考えます。情報を紙で読む、という能動的な作業が児童生徒の学習にはいい効果を与えるのではないでしょうか。どのような仕組み、組み合わせがもっとも効果的なのか研究に取り組んでいます。

――学校現場にメッセージを。

未来を創る児童生徒たちが学びながら成長していく、その成長を教科書でサポートしていきたい。その願いの実現のために、今後もより一層クオリティの高い教科書を発行できるよう努力していきます。

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