文科省 いじめ自殺予防で点検を通知

2015年8月24日号掲載

文科省はこのほど、坪田知広初中局児童生徒課長名で「いじめ防止対策推進法に基づく組織的な対応及び児童生徒の自殺予防について」と題する通知を、各都道府県・各指定都市教委指導事務主管部課長などに向けて発出した。

岩手県矢巾町で、中学生がいじめの疑いによって自殺するなどの事案が生じている。その中で、夏季休業期間中やいじめや自殺が多く発生する夏季休業明けにも、しっかりと対応できるよう求めた。18歳以下の自殺は、8月下旬から9月上旬などの学校の長期休業明けにかけて急増する傾向があることが、平成26年度の『自殺対策白書』でも指摘されている。

そのために、いじめ防止対策推進法と各学校で定めている「いじめ防止基本方針」に基づく組織的な対応について、次の点検内容を挙げている。この点検結果から、問題点や課題が見つかった場合には、必要に応じ学校の基本方針を見直すなどの措置を、すみやかに講ずることを求めた。

学校経営の視点や人材を育成する上で、なによりも、児童生徒の命を守るために、点検は不可欠だ。

点検内容は、次の通り――(一部抜粋)。

□いじめに当たるか否かの判断に当たっては、当該行為を受けている児童生徒が現に心身の苦痛を感じているかという視点に立ち、いじめられた児童生徒本人や周辺の状況等を客観的に確認して総合的に判断すること。また、いじめが解消していたとしても、いじめに関する情報共有や報告を積極的に行うこと。いじめられた児童生徒が心身の苦痛を感じているかどうかが明確ではない場合であっても、「心身の苦痛を感じている」との要件が限定して解釈されることのないよう、いじめられた児童生徒に寄り添った視点に立つこと。

□いじめ対策組織が、いじめが起きにくい・いじめを許さない環境づくりを実効的に行うために、その存在および活動が児童生徒から認識され、学校が組織的にいじめの問題に取り組むに当たって中核的な組織として機能していること。

□いじめ対策組織の年間を通した取り組みを通じ、全ての教職員がいじめを受けた児童生徒を徹底して守り通し、事案を迅速かつ適切に解決する相談・通報の窓口と児童生徒から認識され、適切に対応していること。全ての教職員がささいな兆候や懸念、児童生徒からの訴えを抱え込まずに、全ていじめ対策組織に報告・相談するとともに、いじめ対策組織において適切な情報の集約と複数の教職員による共有がなされていること。

□いじめ対策組織が、学校の実情に応じ、管理職のみならず、主幹教諭、生徒指導担当教員、学年主任、養護教諭、学級担任や部活動指導に関わる教職員など複数の教職員や、必要に応じて、心理や福祉の専門家、弁護士、医師、教員・警察官経験者など外部専門家等が参画した実効性のある人選となっていること。また、いじめの未然防止、早期発見、教職員の資質や同僚性の向上に資するため、児童生徒に最も接する機会の多い学級担任や教科担任をはじめ、全ての教職員がいじめ対策組織に一定期間参画するなど、適時適切に構成員の見直しが図られていること。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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