学力調査で来春に限り容認へ 大阪府知事が文科相と会談

2015年8月27日号掲載

 松井一郎大阪府知事が8月20日、文科省を訪れ、下村博文文科相と会談した。今年度の全国学力・学習状況調査の結果を、府立高校入学者選抜の際に、調査書の「評点平均の目安」として活用する方針を同府教委が決めたのをめぐり、活用を認めるよう訴えた。

 これに対して下村文科相は、現場の混乱を危惧し、来春の入試に限って活用を認めるとした。ただし、平成29年度以降の活用は容認しないと明言した。

 会談後、報道陣の取材に答えて松井知事は、活用容認となったことについて、「保護者に、少し安心してもらえたかと思う」と安堵の表情を浮かべた。29年度以降については、「高校入学者選抜に際し、中学校での絶対評価に客観的な物差しがなく、引き続き『評点平均の目安』として全国学力調査の結果を活用していく」との意向を示した。

 一方、下村文科相は、容認した理由について、「府教委が準備を進めており、活用の中止で教育現場が混乱する」と述べた。さらに、府内の中学校で、全国学力調査への過剰指導といった違反がなかった点も挙げた。ただ、全国学力調査の実施要領に「活用禁止」を盛り込むことに関しては、明言を避けた。

 文科省は32年度に向けて、センター試験に替わり、思考力を重視した新テスト導入などを検討しており、下村文科相は「高大接続改革と連動し、(学力調査が)真の学力を問うものであれば、競いあってもいい」として、見直しが図られれば、高校入試に活用することも認めるとの考えを述べた。

 また同省は、府教委の要望により、9月30日に、各都道府県教委の担当者が集まる実務者会議で、中学校間で共通化した絶対評価の在り方について議論する。

 全国学力調査に関する専門家会議では、同府教委が計画している活用の方法論について、▽学校の成績の平均値によって生徒個人に影響があるのはどうか▽テスト対策を重視する懸念がある――などの意見が相次ぎ、活用するべきではないとの結論に至っていた。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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