川崎中1殺害事案で最終報告書 部局横断の組織対応で再発防止

2015年8月31日号掲載

川崎市の多摩川河川敷で中学校1年生の上村遼太さん(13)が殺害された事案で、同市の庁内対策会議は8月25日、防止策などを盛り込んだ最終報告書を公表した。今後の取り組みとして、部局横断的な組織を構築するほか、長期欠席している生徒がいる場合、的確に対応することを明記。さらに外部有識者会議からの提言を受け、さまざまな悩みを抱える子どもたちの居場所を設けることも検討する。

公表された最終報告書は82ページ。事案が起こった原因に関しは、プライバシー保護のためを理由に、約30ページが非公開となった。外部有識者会議の意見は、提言として別冊にまとめられた。

報告書では、組織的な対応に不備があった点を反省し、子どもの子育て施策を担う「こども本部」に部局横断的な調整機能を設ける、とした。問題を抱えている子どもがいれば、区の教育担当部署や教委等と情報を共有し、個別具体的に対応する。

学校と県警との連携強化を図る「学校警察連絡協議会制度」(学警連)の協定を結ぶことも進める。順調に準備が整えば、10月1日に締結する予定だ。

これが締結されれば、非行少年や問題を抱えている子どもたちの住所や名前などの個人情報が共有され、非行事案を未然に防ぐ可能性が高まる。

このたびの殺害事案でも、学校と警察での連絡会議に、上村さんの交友関係に関する話題が上っていた。だが、協定が締結されていなかったため、個人が特定される情報は共有できなかった。

さらに、長期欠席者には即座に対応するよう措置を講ずるとした。文科省の年間30日以上欠席という不登校の定義にとらわれず、「連絡が取れない」「理由なく欠席する」などの理由で、7日以上欠席した場合、学校や教委が家庭の状況を把握して適切に対応する。

外部有識者会議の提言を受け、子どもの居場所を設けることも示唆した。既存の施設を活用し、児童生徒が安全に過ごせる居場所を提供する。思春期の子どもたちの複雑な気持ちを受け止められるように職員の育成にも努めるとしている。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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