学校事故では事実解明の徹底を 遺族の会が文科省に要望書

2015年9月21日号掲載

 学校で起きた事故・事件の遺族でつくる「全国学校事故・事件を語る会」(事務局・兵庫県たつの市)の代表世話人と弁護士が9月16日、文科省を訪れ、同省の有識者会議が示す指針について要望書を提出した。遺族や保護者、地域住民などに対応する現場対応のコーディネーターを設置することや、遺族や被害者の「知る権利」の保障などを求めた。


 この日、文科省を訪れたのは、代表世話人を務める内海千春さんと宮脇勝哉さん、弁護士の渡部吉泰さんの3人。


 要望書には、学校で起こった事故・事件での事後対応に関する指針を盛り込み、コーディネーターの設置を求めた。


 この組織は、行政とは独立したもので、オンブズマンのような制度にする。役割としては、事後対応の指針に沿い、遺族や被疑者、マスコミ対応などを行う。


 事実調査に関しは「再発防止を目的に徹底すれば、被害者や遺族の『事実を知りたい』との思いを実現し、社会からの信頼も確保される」とした。


 さらに、航空機事故や医療事故の調査委員会を引き合いに出し、学校事故・事件でも、組織事故論などの手法を活用することを提案した。


 学校で起きた事故では、直接的な要因と責任の所在を明らかにする傾向がみられるとして、事実解明に焦点を置いた調査にするべきだと強調する。


 文科省が大阪教育大学に委託した学校事故対応調査報告書にも言及。報告書では、発生直後の学校や教委の対応について回答者の8割が「うまくいった」と答え、説明に関しては6割が「理解が得られている」との結果が出ていた。


 これに対し、同会に所属している遺族・被害者に同様の調査を実施した結果では、学校側が適切に対応してくれたと答えた者は誰もいなかったとして、「事後対応に強い不信感があった」と指摘する。


 教員の暴行が原因で自ら命を絶った息子の父親である元教員の内海さん(56)は、これまでに起きた事故・事件に対する学校や教委の対応に、「隠ぺい体質があり、きちんとした事実を解明することは困難だ」と話す。

続けて「遺族にとっては、事実と向き合い、起こったことの答えを見つけて初めて、前を向くことができる」と訴える。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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