デジタル読解力で日本4位 触れすぎると成績下がる

2015年9月21日号掲載

 OECDは、加盟31の国と地域に在住する15歳を対象に「PISAデジタル能力調査」を初めて実施し、9月15日に結果を公表した。コンピュータ機器を用い、ハイパーリンクやスクロール機能で文章を導いたりデータから図表を作成したりする読解力と数学的リテラシーを調べた。それによると、学校で多少なりともコンピュータを使っている生徒は、ほとんど使わない生徒に比べて成績がよかった。だが、非常に頻繁に使用している生徒は、逆に成績が悪い傾向にあった。日本は、デジタル機器を利用する時間が他の国・地域に比べて少なく、デジタル読解力は4位で上位の成績を収めた。

   ◇ ◇ ◇

 調査は、2012年にOECDが実施した国際的な学習到達度調査(PISA)の結果を基に、15歳のコンピュータ利用状況と学習について分析した。

 デジタル機器を使って必要な情報を得ることができるかを問う設問では、12年のPISAでの読解力で上位となった国・地域がトップを占めた。順位は、シンガポール、韓国、香港の順で、日本は4位だった。日本は545点で、1位のシンガポールとは22点の差があった。

 学校内外でデジタル機器を利用する頻度では、日本は1日80分強で、OECD平均の約130分を大きく下回った。

 またPISAの「数学的リテラシー」の成績が03年からどのように変化したかを、生徒一人あたりのパソコン台数との相関で調べた。

 それによると、ニュージーランドやオーストラリア、チェコなどが生徒1人あたりの台数は多いが、成績は低かった。逆に、台数が少ないトルコ、メキシコは好成績を残した。日本の1人あたりの台数は中位であり、成績は平均を上回った。

 OECDのアンドレアス・シュライヒャー教育スキル局長は「学校では、結果的に、ICTを十分に、賢明に活用できていない現状が明らかになった」として、「日本は慎重かつ戦略的にICT化を進めてきた」と評価した。  文科省の平成26年度の学校情報化調査では、公立学校での1台あたりのパソコンの利用人数は6・4人となっている。

 同省は32年度までに、1人1台のタブレット端末の配備を目指している。その中で、OECDのこの調査結果は、コンピュータの長すぎる使用時間が学習効果上ではマイナスに働くことを物語っている。わが国は、学校でのICT機器の利用について、最も賢明な活用法、いわばコンピュータの教育活用における最適化を考えていかなければならない段階にきているようだ。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



▼ニュース一覧へ