重大事態めぐり議論 第2号認定が少なすぎる

2015年10月1日号掲載

いじめが原因で不登校となった重大事態の調査に係る指針等を検討している文科省のいじめ防止対策協議会は9月24日、第2回会合を開催。昨年2月に全国の教委に示した試案「いじめ防止推進法における『重大事態』への対処(不登校)」を基に、調査実施の在り方や不登校児童生徒のカルテとなる「児童生徒理解・教育支援シート」の活用方法、第2号認定について議論を交わした。

試案では、平成25年に出された「いじめ防止等のための基本的な指針」を引用し、いじめにより、年間30日間、学校を欠席した児童生徒を不登校の「重大事態」として扱うよう明記。

重大事態と認定されれば、弁護士や精神科医、学識経験者らで構成される調査組織を設置する。

報告書は、事案の発生から1カ月で作成するよう求められている。

これに対して弁護士を務める委員は「弁護士などの外部専門家を入れての調査であれば、1カ月で結果を出すのは無理」と指摘。「児童生徒を学校に復帰させる目的であれば、調査だけでなく、支援の充実も必要だ」と要望した。

また不登校に関する調査研究協力者会議の中間報告で、不登校となった経緯などを記す教育支援シートの活用が提案された。

いじめ加害者の情報明記について、委員からは「委員は、事実を明らかにするには加害者側の声も聞く必要がある」との意見があった。

これを受けて別の委員からは、指導要録の開示で問題になった例を挙げ、「非常に難しい問題」だとして、「加害者からの了解を得るかどうかを含めて整理していかないといけない」と慎重な姿勢を見せた。さらに「いじめ対策なのか、不登校対策なのか、明確にする必要がある」とした意見もあった。

文科省の平成25年度調査によると、いじめがきっかけで不登校となったケースは1941件。一方、「いじめ防止対策推進法」第28条第2号に係る、いじめによって相当期間欠席を余儀なくされている疑いが認められる「第2号重大事態」は122件であった。同推進法が同年9月28日に施行されたのを考慮に入れても、「重大事態」として捉えるべき事案が非常に少ない現状が見られる。同協議会では、今年度中には調査指針を策定し、「第2号重大事態」を明確に示したい考えだ。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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