子どもの貧困でアンケート 健康や家計などから対策へ

2015年10月1日号掲載

東京都足立区は、今年度を「子どもの貧困対策元年」と位置づけ、新規事業と拡充事業に乗り出している。その対策の中で、全区立小学校69校の1年生およそ5300人の保護者を対象に、子どもの貧困の実態を把握する無記名アンケートを実施。7月にはすでに、6校約500人に先行調査を行い、11月には、残りの全校で調査する予定だ。家庭の経済状況や子どもの健康状態などを調べ、効果的な貧困対策につなげるのがねらい。

調査内容は、▽貧困指標項目として保護者の所得や就労状況、勤務形態▽生活実態・健康の項目として子どものむし歯の有無、起床・就寝時間、朝食摂取習慣など▽地域力など環境の項目として近所との交流方法、頼れる人の数など――。

区によると、自治体が貧困対策を目的に、全区レベルでこのような大規模調査を行うのは、全国で初めてという。

昨年1月施行の「子どもの貧困対策の推進に関する法律」に基づき、同年8月には「子どもの貧困対策に関する大綱」が閣議決定された。国のこの動きを受けて区は、子どもの貧困の連鎖を断つため、昨年9月に、本部長を副区長が務める「子どもの貧困対策本部」を設置。有識者会議を開き、出産前から学齢期、青年期、就労に至るまでの対策を展開するために、全庁体制で施策の検討を進めてきた。

「対策元年」の諸事業は、こうした検討の結果生まれたもの。「ライフステージごとの早期できめ細かな対策」を眼目に、▽予防▽救う▽連鎖を断つ――の視点から、6つの新規事業と3つの拡充事業を、今年度予算に組み込んだ。子どもの貧困調査は、新規事業の中の1つの施策。

区の分析によると、小学校における就学援助認定率と全国学力調査の正答率には、関連性があった。平成21年度に就学援助認定率平均36・1%、全国学力調査の正答率平均76・1%だった小学校で、26年度に認定率平均が30・9%に低下したら、正答率平均は78・4%に上昇していた。

子どもの健康状態でも、東京大学が24年に実施した「まちと家族の健康調査」の結果で、区の小学生のむし歯の本数と貧困が関連していた。等価所得貧困線以上(非貧困)の家庭の児童は、むし歯0本80・9%、1本以上19・1%だったのに対して、貧困線未満(貧困)家庭の児童では、0本61・5%、1本以上38・5%だった。これは主として、歯磨きの習慣に関連していた。

こうした結果から、アンケートの調査内容を決めていった。

回収した回答を分析し、来年4月には結果を発表する予定でいる。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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