大川小遺族らからヒアリング 防災教育の充実を訴える

2015年10月5日号掲載

東日本大震災の津波によってわが子を失った遺族らが、文科省の学校事故対応に関する調査研究有識者会議の第3回会合で、「二度と同じような悲劇を繰り返してならない」と、防災教育の充実を訴えた。同省は、有識者会議の報告をふまえ、今年度内に学校事故に関わる対応の指針をまとめる予定だ。

この日、出席したのは、津波により児童74人が死亡・行方不明になった宮城県石巻市立大川小学校と、園児5人が犠牲になった同市の私立日和幼稚園の遺族7人。

大川小学校の遺族の1人、佐藤敏郎さん(52)は、次女のみずほさん(当時12歳)を亡くした。「学校で、これだけのことがあって4年半。重く考えてもらえない対応を強いられてきたと思っている。守ることができた命、守るべき命だった」と話す。

震災時、大川小の教職員は体育館裏の山にではなく、川がある三角地帯に避難誘導し、多くの犠牲者を出した。生き残った男性教員らが当時を証言したメモを市教委が廃棄するなど、事後対応の不備が露呈した。さらに第三者委員会がまとめた最終報告書も、事故責任の所在を明らかにしていなかった。

こうした対応に対して佐藤さんは「教育関係者が守るのは組織や立場でなく、子どもの命だ」と吐露した。続けて「遺族が置きざりにされている辛い状況だ。全国各地で同じようことが問題となっている。課題を共有し、二度とこのような悲劇が起きないようなシステムをつくってほしい」と訴えた。

次女の真衣さん(12)を亡くした鈴木典行さん(56)は当時を振り返る。「私も教員をしており、生徒を安全な場所に誘導していた。当然、大川小の先生たちも、子どもたちを安全な場所に避難させていると信じていた」。今回のヒアリングについては「1回だけで何が分かるのか。何回も話し合い、有識者会議で課題を示してもらい、それに応えたい」と語る。

一方の日和幼稚園の事故で長女の愛梨ちゃん(同6歳)を亡くした佐藤美香さん(40)は、同園が震災時に、園児を乗せて危険な沿岸部に向かった行為について「私たちの子どもの命は奪われた。守られた命だった」と非難した。当時の状況を語らない当時の職員や園長に対し、「事実解明をしようと思っているのか。正直に話してもらいたい」と声を震わせた。

最後に「学校関係者には、防災訓練や緊急マニュアルの作成といった防災教育の徹底をしてもらいたい」と要望した。さらに、文科省に現地視察を求める要望要を提出した。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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