情動の科学を教育に応用へ 文科省の研究推進会議

2015年10月5日号掲載

子どもの情動の発達に係る科学的研究の効果的な推進と、その成果の教育現場での活用を図るために、文科省は9月28日、第1回「情動の科学的解明と教育等への応用に関する調査研究推進会議」を開催した。いじめや虐待の問題に関連するこの分野で、研究者間、研究者と教育関係者間でどのような連携体制の構築(プラットホーム)ができるのか、今年度いっぱいをかけて検討していく。

初回会議では、京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻の十一元三教授が座長に選出された。同推進会議のメンバーは、小児発達学研究、精神神経医学、教育相談機関、公立学校共済組合、特別支援教育、生徒指導関係者などで構成されている。

今後検討していく内容は、(1)「いじめ対策等生徒指導推進事業(脳科学・精神医学・心理学等と学校教育の連携の在り方)」における、研究者間および研究者と教育関係者等とのネットワークの構築(2)研究成果に関連する情報の集約(3)生徒指導を中心とした教育への応用の効果的な推進(4)学校教育での科学的知見の応用や各発達段階における研究の促進に関して必要な事柄――。

同推進会議を組織したのは、同省の「情動の科学的解明と教育等への応用に関する調査研究協力者会議」による審議まとめ(昨年7月24日)を受けたもの。この協力者会議は、情動の科学的探究が、子どもの成長や学習などに大きな知見をもたらし、教育への応用が期待されることから、設置された。

子どもの認知力や適応力、学習力などの発達は、感情の動きである「情動」が基礎。複雑な背景から起こるいじめなどの問題行動についても、情動のひずみが極めて重要な要因に1つであると考えられている。だが、科学的な研究は、研究者個々の段階に留まっている現状があり、体系的に学校現場での応用に生かされていない。

そこで審議まとめでは、(1)研究者と教育関係者が情動の科学的な知見や応用などについて共有できるプラットホームを構築(2)そのプラットフォームでは、教育臨床への応用だけでなく、教育現場から基礎研究へのフィードバックも重要――などと提言。これらによって、従来のような経験に重きを置いた指導に加え、情動についての客観的で科学的なデータや理論、根拠に基づく指導を行うようにしていく重要性を指摘。こうした審議まとめを実現していくプラットフォーム構築について、同推進会議は話し合っていく。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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