川崎市教委が学警連制度で協定 個人情報を共有化

2015年10月26日号掲載

川崎市の中学校1年生、上村遼太君(当時13歳)が2月に殺害された事案を受け、同市教委と神奈川県警は10月16日、懸案となっていた、児童生徒の非行などで個人情報なども共有する「学校警察連携制度」の協定を締結した。県内では33自治体がすでに協定を結んでいるが、今回の協定では、県内では初めて、スマホやSNSなどネットに関する条項を盛り込んだ。事案の教訓を生かし、青少年の非行や犯罪被害の防止に力を注ぐ。運用開始は11月1日から。

協定では、非行事案や犯罪被害を防止する目的で児童生徒やその保護者と連絡が取れない場合、学校と警察が当該児童生徒の名前などの個人情報を共有する。

川崎中1殺害事案では、担任教員が上村君宅に5回足を運び、33回電話をしたが、会うことも話すこともできなかった。一方、管轄の警察署では、少年(上村君)が学校外で、後に殺害事案の加害者となる未成年者と接触しており、暴行を加えられている事実は把握していたが、「学校警察連携協議会」の場では、少年を特定する個人情報は、伝えられなかった。警察としても、殺害にまで展開するとは見ていなかったため、一般的な情報提供に留まっていた。

ここで個人情報を共有できていれば、殺害事案は防げたのではないかと指摘されていた。同制度の運用が始まれば、状況は変わる。いじめや虐待事案などの相談や加害者への指導を行っている県警本部の「少年相談・保護センター」を中心に、児相や関係機関が情報共有する要保護児童対策地域協議会とより緊密に連携し、縦割りを廃し、地域と一体となって青少年の犯罪防止に取り組む方向に動く。

同センターによると、昨年の情報提供は学校側から県警に135件、県警から学校に156件あり、犯罪やトラブル防止に活用されている。協定書では、情報提供する具体例として、「刑法犯罪に遭うおそれが生じ、児童生徒の保護や安全確保が必要な状況」「特定児童生徒に対して悪口、嫌がらせ、暴力行為、金品要求といったいじめ行為」などを挙げている。特に、初めて盛り込まれたネット上の問題については、「ラインやSNSなどの掲示板で犯罪に巻き込まれる恐れがある」などを示した。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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