校舎外壁で損傷や劣化 点検未実施694校

2015年11月2日号掲載

全国45市町村の公立小・中学校694校が、建築基準法で義務化されている校舎の劣化や損傷について点検を実施していなかったことが会計検査院の調査で明らかになった。校舎の外壁などの損傷を確認しながら、3年以上放置していた現状も浮き彫りになった。

文科省はこうした事態を受け、11月上旬にも、国立私立の小・中学校や全国の都道府県教委を通じて、市町村教委に、校舎の適切な維持管理を徹底するよう、通知を発出する見込みだ。

調査は、平成26年4月時点での大阪府や神奈川県、広島県など20府県616市町村8408校を抽出して実施された。平成21~24年度間での点検実施状況と不備の修繕状況などを調べた。建築基準法では、市町村に、建築点検を原則3年に1回以上実施するよう義務づけている。

点検対象となっていながら適切に対処していなかったのは、45市町村に上った。このうち宮崎県延岡市などの36市町村では、対象校全校の538校で点検されていなかった。千葉市など192市町村2052校は、点検で判明した天井や外壁などの損傷2万1871件を修繕していなかった。その約半数に当たる1万106件は、3年以上放置されていた。

また消防法が定める防火設備の点検では、616市町村の全ての小・中学校で実施されていた。だが、消火栓や自動火災報知器設備などの不動作が確認されたにもかかわらず、26年4月時点で是正されていなかったのは、353市町村3392校で、延べ1万7904件に上った。

文科省の担当者は「点検が実施されていない背景には、地方自治体の財政難が影響している。校舎の維持管理は、設置義務を負う地方自治体の責任。児童生徒の安全安心を確保するために、早期に点検を実施してほしい」と訴えた。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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