デモや集会を容認 高校生の政治参加で新通知

2015年11月5日号掲載

選挙年齢18歳以上に関して文科省は10月29日、高校生の学校外でのデモ参加などの政治活動を一定の条件で容認する新通知を、全国の都道府県・指定都市教委などに発出した。来夏の参院選挙から初適用となることから、46年ぶりに通知を見直し、政治活動のルールを示した形だ。

ただ、実際にどのような活動が制限や禁止となるのかは、学校の判断に委ねられており、教育現場からは、「明確な判断基準を示してほしい」との声が上がっていた。

通知では、デモ参加や集会などの学校外での政治活動などについて「家庭理解の下、生徒が判断し、行うもの」と条件付きで容認する。一方、生徒が違法な行為や暴力的な活動をした場合は、学校が制限または禁止するよう求めた。日常生活や学業に支障があると認める場合も、必要かつ合理的な範囲内で制限または禁止する。

昭和44年の高校生の政治活動について「望ましくない」とした通知を廃止し、見直したものだが、あくまでも法的拘束力のない規制だ。学校側が過敏に反応すると、高校生の政治的な議論の場を奪いかねない。半面、適切な制限を加えなければ、本分の学業を忘れ、政治活動にのめり込むような状況になる可能性がある。学校側は、非常に難しい判断が迫られるのは必至だ。

文科省は10月5日、全国高等学校長協会などを含む関係団体からヒアリングを実施。同協会の宮本久地会長(都立西高校校長)は、学校現場に即した指針を示してほしいとして、「違法な政治的活動とは、どのようなものか。禁止・制限は具体的にどう扱っていいのか」と困惑気味に語った。

全国都道府県教育長協議会では、東京都教委教育長の中井敬三会長も「生徒の禁止事項は、学校現場で判断がつき難いこともある」と同調した。

文科省は今後、学校関係者が集まる会議などで、丁寧に説明するとしているが、判断基準となる指針を示さなければ、現場は混乱する。現在の高校2年生が新3年生になってから初適用となる参院選挙に向けた時は、既に動きはじめている。


(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)

 



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