わいせつ行為防止で指導強化 愛知県教委

2015年11月5日号掲載

 わいせつ行為による教員の懲戒処分が後を絶たないとして、愛知県教委は来年度から、教員研修の内容と方法を改善する。県教委によれば、平成22年度から26年度までに、名古屋市を除く県内公立学校の教職員61人が、わいせつ行為を理由に懲戒処分を受けている。来年度からは、教員採用10年目までに実施する啓発と指導を強化。被害を自分事として捉えるのを視点とした研修を充実させるなどして、防止策を講じる。

新たに3年目研修

同県教委がわいせつ行為防止策として打ち出しているのは、▽初任者研修、10年経験者研修、非正規教員を対象とした研究を強化し、新たに3年目研修を実施する▽被害者や周囲へのダメージを自分事として捉えられるよう、ケースメソッドなどの手法を取り入れ、研修受講者一人ひとりに考えさせる内容とする▽児童生徒との接し方を視点に研修する▽相談窓口を設置し、児童生徒が相談しやすいよう配慮する――など。

これらは、次の4点を視点としている。

(1)わいせつ事案を起こした教員の約6割が35歳以下で、約5割が教職10年目以前であるのを踏まえ、教員養成時期も視野に、若年層の教員への働きかけを強化する。

(2)自校の児童生徒を相手方とする事案が半数を占めており、学校が安全安心の場である大前提を揺るがしかねない。保護者に与える衝撃も大きく、学校への信頼感に大きなダメージを与えるので、わいせつ事案を最重要課題として位置付ける。

(3)自校児童生徒への不適切な行為に至る、より早い時期に、児童生徒本人だけでなく、その友人や同僚教員が、教員と児童生徒との不自然な関係に気づける早期発見・介入の仕組みを整える。

(4)不適切行為の防止に当たっては、教員への働きかけだけでなく、児童生徒にも、セクシャル・ハラスメントの基礎知識を周知していく。

こうした対策や視点は、同県教委が設置した「教員の不祥事防止対策プロジュクトチーム」(チームリーダー・萬屋育子愛知教育大学特任教授)が、今年9月10日にまとめた「信頼される『愛知の教育』であり続けるために―教員の不祥事(特にわいせつ行為)防止のための提言」による。

31~35歳が最多

県教委の集計によると、平成22年度から26年度までに懲戒処分となった県内公立学校の教職員61人(名古屋市を除く)は、年齢別には、31~35歳が15人で最多。次いで26~30歳13人、25歳以下9人。ここまでの年齢層で60・6%を占める。46~50歳7人、56~60歳6人が次のピーク。勤続年数は6~10年が16人で最多。

校種別の被害児童生徒等の内訳は、小学校が自校児童2人、自校外児童7人、中学校が同順で12人、10人。これに自校職員2人が加わる。高校は17人、11人。

自校児童生徒を相手方とする事案31人の被害態様で最多は性行為15人。自校以外の児童生徒を相手方とする事案30人の被害態様で最多は盗撮15人。

全国的には、「平成25年度公立学校教職員の人事行政状況調査」では、わいせつ行為に係る懲戒処分は205人。内訳は免職117人、停職49人、減給9人、戒告5人までが計180人。これに訓告等25人が加わる。

年齢層別に、全国の全在職者数に占める被処分者数の割合をみると、40歳代と50歳代が0・02%、30歳代が0・03%、20歳代が0・06%。若手教員の割合が相対的に高く、特に20歳代が高い。


(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)
 

 



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