公正に判断する力を身に付けて 主権者教育で説明会

2015年11月16日号掲載

文科省はこのほど、「選挙年齢引き下げに関する連絡協議会」を都内で開催し、主権者教育に活用する副教材や、高校生の政治活動を一定の要件で容認した新たな通知について説明した。模擬選挙や選挙の在り方などの主権者教育を小・中・高校に出前授業をしている(公財)明るい選挙推進協会などの団体から事例発表も行われた。全国の教委から指導主事や知事部局の私学担当者ら120人が出席した。

はじめに文科省の梶山正司主任視学官が副教材「私たちが拓く日本の未来」の内容を説明。模擬選挙や模擬議会を通じて、結果ではなく、議論の過程を重視するのが重要と指摘した。その上で「間接民主主義の体験を通して、公正に判断する力を身に付けられる」と語った。教員の政治的中立性では、「中立的な立場で指導してもらいたい」として、さまざまな主張や政党があるのを示す必要があると強調した。生徒から教員の主義について質問されたときには「慎重に対応してもらいたい」と注文した。46年ぶりに見直された新通知について説明し、生徒の政治活動に関しては「放課後や休日であっても、構内での政治活動は制限または禁止」などと、各学校への周知徹底を促した。

続いて、主権者教育を実践している各団体が事例を報告した。明るい選挙推進協会の金井莊太広報部主幹は、これまで実施してきた主権者教育の出前授業に関して、「20歳からの働きかけでは遅い」として、中学校や高校だけでなく、小学校からの主権者教育の必要性を説く。公職選挙法が改正されてからは、高校での出前授業が急増したという。出前授業では、模擬選挙を行っており、実物大の投票箱など、実際の投票所を再現している。金井主幹は、「本物の選挙公報を活用し、討論をさせる。生徒が考えるものにしている」と、体験型学習の重要性を語った。

主権者教育の副教材作成に携わった東洋大学助教で、模擬選挙推進ネットワークの林大介事務局長は、貧困など現代の子どもたちの厳しい現状を示しながら、「きちんとした教育を受けていない。それが、若年層の投票率を下げている」と分析。SSP(国際比較調査プログラム)による各国の20歳代の政治不信率調査では、日本は世界1位となり、「主権者教育の一層の推進が必要だ」と訴えた。公民の時間だけでなく、国語の授業で選挙公報の意図を読み取ったり、数学では、選挙に関わるグラフを活用したりと、多く教科で主権者教育を実施してほしいと呼び掛けた。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)  

 



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